私は中学時代に、学校の野球部に所属して軟式野球をやっていた。
もう30年前の話になる。
その頃のバットといえば金属バットが主流で、
そこにちょっとお高いがカーボン製というのもあり、軽くて硬い素材であった。
(雷に注意が必要であった)
バット選びというのも楽しみの一つで、
先端の丸まっているやつとか、
グリップから芯の部分まで太くなり、そこからまたしぼむといった形状のものまであった。
やたらと太いバット(太けりゃ当たるの発想)やら、
逆に「上級者用」とばかりに細いバットもあった。
細いバットで打席に立っていたのに、「バント」のサインが出たりすると、バットを太いのに替えたくなったものであった(笑)
長さやら太さやらその形状や重心のバランスにより、
「長距離打者用」だの「中距離打者用(打率重視)だの分かれていた。
短距離打者用はなかった(売れないですもの 笑)
そして、硬式野球経験者が軟式ボールを打つと
『つぶれてしまって飛ばない』というのが定説であった。
だから、硬式経験者が軟式ボールを打つときには
「感覚的に詰まらせて運ぶ感じで打つことがコツだ!」
なんてなことを言われていた。
そこから10年ほど経った2002年のこと、
私は中学野球の指導をしていた。
そこにこんな噂が流れてきた。
「これまでとは全く違うコンセプトのバットができるらしい」
とのことであった。
バットのコンセプトっていっても、
「長さや太さに重さ、形状、素材のほかに何があんの?」
と不思議に思ったが現れたのは、ナンと、
「硬いバットでボールが潰れてしまうというならば、バットの方を柔らかくしてしまえばいいじゃないか」
という発想のものであった。
「これは凄いな、まさに逆転の発想!」
と、当時もぶったまげた記憶がある。
そういうことを考えるセンスが好きである。
そういう会議に参加したい(笑)
見た目がオッサンで心が少年の人に違いない。
なんでその発想が出たのであろうか?と思っていたら記事にあった。
風船遊びからヒントを得たという。
「手で風船をたたくより、柔らかい風船同士がぶつかる方がよく弾む」
なるほど!
そこからか!
ちなみに当時は2万5千円で、かなりのお高さであったが、現在では4万5千円だという(笑)
そう、軟式野球はもはや大人の遊びなのだ。
そんなバットでホームランを打って楽しいのか?
なんて論点もある。
よくバットの議論で、「金属バットの弊害」なんてなことを言って、
「金属バットに慣れてしまうと将来苦労する」なんてなことを言われるが、そもそも「木製バット」の野球(大学、社会人、プロ)まで辿り着かない人がほとんどであるし、なんならそこまで野球をやってしまうと人生も怪しくなるという弊害の方が大きかったりする。
「そういう野球はそっちでやってくれっ」てなもんである。
観る野球と自分がやる野球は違う(笑)
どんなバットでもホームランは気持ちよい。
野球人口の減少が激しいと話題になっているが、メーカーだって子どもの相手をするよりは、金のある大人を対象にしたほうがいいに決まってる(笑)
いや~それにしても、あのバットの発想は「風船あそび」からだったのか。
それを知れた記事がとても嬉しかったという話でした。
それを実現させるミズノさすが。
ミズノの強みは自分のところでアイディアを自作できるところにあると聞いたことがあるけど、そういう部門を持っておくのってコストになることもあるけど、やっぱり強いんだなと。
それにしても、「ひらめき」って面白いですね。
そことそこをつなげるかと・・・
こういうエピソードが大好きですね。
こういうアイディアをじっくりと語り合えるような
頭の悪い学生を育てたいな~(笑)