B6サイズの真ん中に書かれたなんともいえないイラスト
不覚にもワタシはこれを見た瞬間に涙が出てしまった。
なんだか、このカワイイ雪だるまが「がんばれ!」と励ましてくれているような・・・
「あなた(雪だるま)も、いずれ溶けて行く運命を知りながら、あなたも一人で寂しいのにも関わらず私を励ましてくれるのか」
などと妄想が膨らむ・・・
この絵の面白さは空白部分にある気がする。
さて、この絵はなんなのか?
近くの小学生が書いてくれたのか?
いや、違います。
大学1年生の女子学生が書いてくれたのであります。
「どういう交流しとんじゃ?」と思われるかもしれませんが、
これは私が「スポーツと健康」という教養科目の講義の中で学生からの質問やコメント用に使っている『出席調査兼感想および質問記入用紙』という大変にマジメな用紙なのであります。
その裏に書いてあった、いわば「落書き」なのであります(笑)
ちなみに受講しているのは臨床検査学科と理学療法学科の学生140名であります。
けっこう優秀な学生さんが集まっています。
ただ、これだけだと「ふざけた幼稚な学生」になってしまうのでもう少し補足しますと、この時の授業で私は学生からの
「人に何かを伝える時に重要なことを教えてください」という、とても重要なテーマの質問に対して、
「人にものをちゃんと伝えるというのは、実はけっこう難しいということを自覚しておくことの重要性」を説明するために、以前に職場の研修会で用いられた
「〇(マル)の上に〇(マル)を書け」というワークを行ったのであります。
以下はそのネタを用いた話(読んでいただけると雪だるまの意味がわかります)
実はこの雪だるまは、そのワークにて「雪だるま型」の回答をした自分の絵を見ているうちに付け足した「キャラクター雪だるま」なのでありました。
書いた本人だって、目をつけ、口をつけ、としているうちに楽しくなったというだけの絵であります。
本来ならば、「なんでこんな絵を提出物に書くんだバカたれ!」というべきなのかもしれないけども、読んでいるときの私の寂しい心にこの絵はずいぶんと沁みた。
ワタシはこの絵の写真を撮影し、次の回の授業で教室の大画面のスライドに映し出しました。書いた本人も驚いておりました(笑)なんせ140人の前で自分のこの絵が映し出されているわけですから。
私がこの絵で泣けたこと、そして実はこの絵の配置(構図)はけっこう絶妙だということも説明した。
私が読んだデザインの本によれば、
「中央に書いてあるように見えるようにするには、正確な位置よりもやや上に書くのがデザインのセオリー」なのだという。
実際に測ってみると、カオの〇一個分だけ上に位置されていた。
などとウンチクも垂れると、一見しょうもない話も価値があるように聞こえる(笑)
この授業の学生の反響はナカナカでした。
「なんの気もない絵からそれだけ話ができるの凄い」とか「先生の感性がスゴイ」などなどカワイイ感想が、そして「先生、疲れてませんか?」など優しいのまで。
そして、こんなのまで
励ましの言葉に加えて、
なんとなんと、ワタシのカオまで(こんなカワイくていいのか?)
これは私の似顔絵なのだという。
私のインスタを見て書いたのだという。
なかなか上手い。
ありがたいけども、
こんな絵をかきながら私の講義は果たして聴いているのであろうか・・・
まぁいいか(笑)
「あの絵で喜ばれるなら、ワタシはもっといいのを書いてやるわい!」
という心意気は私はとても好きであります。
ちなみに、この2つの絵も当然のことながら授業で全体の前で映し、今度は学生がこれまた興味がある「モチベーション(やる気)」についての話をしたのでありました。
3つの絵を並べて「それぞれのモチベーションは違う」ということについて説明しました。
他の学生からの感想で
「絵を書いて怒られるのかと思ったら、そこから話を展開する先生の発想はすごいなと思いました」という。
いや、こんな絵を書かれたらそりゃ怒れませんよ。
怒られるリスクがあるからサプライズになるわけで。
リスクよりも「喜ばせよう!」を取った行動は若者らしくていいじゃないのと。
ただ、別の先生でも喜ばれるかどうかは自己責任ですぞ(汗)
思ってもないところから励ましてもらいました。
ありがとうございます。