3月26日
事務所のNさんの息子(写真)の野球指導を頼まれた。
この少年は小学校5年生。彼には以前、一度会った事があるのだが、写真でも分かるとおり、
「野球が上手くなりて~」
という気持ちがヒシヒシと伝わってくる今時珍しい少年であった。 彼はガッツの塊のような少年で腕を骨折しながらも野球を続けるくらいである。 さすがだんじりの岸和田っ子だ!
てなわけで、行った指導はまず走り方の動画撮影。これは、あとで末續師の走り方と比較するというムリのある指導であった。
次にメインとなる投げ方指導である。親父さんからも「投げ方がどうにもおかしいのだが、何がおかしいやらわからないので見てくれないか?」という注文を受けていた。 野球においてボールを投げる能力というのは最重要項目である。
とにかく、投げれない野球少年の背負う精神的負担は大きい。
なるほど、見ればすぐにわかりました。
「肘を柔らかく使おうとしてないかい?」(けっこう危険)
「ハイ、そうです」なんで分かるの?って顔してます。
私もそうやったもん・・・そして肘壊したし・・・
私は一生懸命野球をやっている子とは年代を問わず話が合う。
なぜなら、大体考えることや悩むところが同じだから・・・
そこから、約4時間、休憩なしの指導となりましたが、よく続きました。
根性あります。これって年齢関係ないかも・・・
大学院でコーチ学の親分から直接学んだ根性の定義
「やる気の継続性」(by田中誠一)
昔はよくいた、勉強はしないが野球は徹底的にやる少年!こういう子って私の知ってる範囲ではその後も人に恵まれて前向きな人生を送ってるものです。
私は、このような少年の野球指導をしている時がなんとも言えない贅沢な気分になる。
だから、こんな少年を見るとそれまでやる気がなくでダラダラしていても急にスイッチが入る。この辺りは学生によく驚かれるところでもある。
私は、たまにプロの指導なんてあるが、そのネタの根っこは少年に対してどうやって指導するか?である。
大人の指導は理屈で説明して納得してもらえればある程度の評価も受ける。
また、人生経験がある分、例え話にしてもやり易い。
逆に少年指導は理屈よりも体で理解できるような方法を用いないと通じない。
見本の見せ方も重要なる。(正面で見せるべきか?背面で見せるべきか?何を見せるべきか?など)
そして人生経験が少ない分、例え話も非常に制限される。「ゴルフに例えると・・・」なんてのは少年には通じない。
そのあたりは、中学野球のコーチをしていた経験がかなり大きい。
研究室に戻り、ゴロを捕って送球するハイスピード動画を見た。「捕った後、すぐボールをこぼしてしまうんです」と聞いたからだ。
「なんでだろうね~形はいいのにね~」と言いながら見ると・・・
「あら?」
「これグローブに入ったボールを右手で押さえる時、手のひらじゃなくて指先で押さえてるよ・・・こりゃ掴むの難しいよ」言葉で表現するの難しいんですが、要は指導者側から見れば「まさかそんなことやってるとは」って部分が判明した。一つスッキリした。
あまりに「上手くなりたい」という気持ちに対して計算の無い素直な野球少年の姿勢に、なんだか最近忘れかけていた感謝の気持ちが蘇ってきました。
また会ってやらせたいことがドンドン湧いてきた。
疲れないものです。
これが私の病気です(笑)