野球における『球拾い』と言えば下積み作業の代名詞である。
この意味について考えてみた。
中学や高校野球では、1年生はよっぽどの天才でも無い限り、3年生が引退するまでボールにさわることもままならず、声出し、球拾い、掃除、先輩のゴマすり、芸人というのが定番である。
私の中学なんぞでは先輩のピッチング練習で『インコースを攻める時の打者役』という仕事?まであり、「当たったら交代できる。」という人権無視な仕事まであった。
そこで笑えるかが分かれ目なんですが・・・
で、最近は「もうそういうのはやめよう」という世の風潮もあり、1年生でもキャッチボールはやれるわ、バッティングもやらせてもらえるわ・・・ 羨ましい
でもちょっと待てよ・・・ 果たしてこれはいい事なんだろうか・・・
野球部に入ったにも関わらずボールに触れない。というのは一見、理不尽に見えるが、ある意味合理的なのではないかと思った。
だって「野球の上手い下手」って本人を納得させられるような理由をつけるのが結構、難儀なんです。
だったら「1年は球拾い!と体力づくり~」と問答無用でやったほうが
「俺はまだ1年だからしょうがない!今にみておれ~!」と闘志を燃やせるのではないかと・・・
そして、「俺は下積みで球拾いをやってきた男なのだ!」と自分の居場所ができ・・・
結果・・・・辞めなくて済む。(実は肩・肘の障害予防にもなる)
ところが、こっちは良かれと思い、「1年生にも野球やらせてあげなきゃ可哀想だ」なんて思ってやらせたらまだ全然実力が無くて(当たり前なんだが)エラー連発、連続三振、なんてなったらショックは大きい!
実際に、いい素質なのにも関わらずショックで『俺は才能ないからやめます』ってなっちゃったのも見てきました。
人間はやっぱり自信が大切です!
自信がつけば何ごとも継続しやすいです!とんでもない力を発揮することもあります。
逆に失敗は自信を無くします!
で、どうしたら自信ができるか・・・?
それはやっぱり実績をあげることです!
難しい事をクリアすればそりゃ~自信になります!
が・・・失敗すれば挫折につながります!リスク高いです!
確実に自信がつく方法・・・
それは やりゃ~できることを続けることです。
球拾いや掃除に才能はいりません。誰でもできます。
『ヒット打って自信つける』よりよっぽど確実です!
私の中学の先輩なんかは野球は下手でも、「監督の車は俺が常に洗車してきた!」とエバッておりました。(笑)
つまり、下積みは嫌な時代なのではなく、「自信をつける時代」ともいえるんです!
「俺はこんな下積みしたぜ~」って自慢する人いますよね!
そうです、下積みは自信になるんです!
しかも、雑用に強い先輩って野球が上手い先輩より尊敬される事が多い!(笑)
というワケで学生さんには、いわゆる『球拾い的』な仕事は価値あるぞ!と伝えたい!
ただ、実はこれやるためには今の時代、指導する側にかなりの度量を要求されます。
すぐキャッチボールやバッティングをさせる方が・・・いろんな意味で無難だし(汗)
下積みしにくい時代です。
てことは挫折もしやすい・・・積み上げがないから・・
いきなり結果を要求されたら誰でもビビります。
できるところから自信をつけていきたいものです!