10月13日
私の指導する競輪吉木雄貴選手(写真右)が別府1Rにて約3カ月ぶりの勝ち星を挙げた。
レースの格としては2日目の一般戦(勝ち上がり戦で負けた人のレース)のため、低いランクのレースであったが、これまでとは違った意味のあるレースとなった。
とにかく、この3カ月、一般戦ですら取りこぼす有様であった。
体力・体格にも恵まれ、練習もマジメにこなしている吉木選手であった。
こういう選手をなんとかできるようでなければ!というのが私の目標である。
う~ん、やる事やってんのに勝てないのってある意味イタイな・・・
と思いつつ、先日トレーニングをした。
トレーニング前にはまず、近況のレース内容について、私の客視点による説教となる・・(笑)
そんな説教の中でのやり取り
ヨシキ:「最近、レースの組み立てが下手というか、頭が悪いというか・・・」
私:「う~ん確かに・・・私もそう思う(口に出してません)」
ヨシキ:「練習ではタイムも出てるし、トップクラスの選手にも『何でそれでその成績なワケ?』と言われてます」
私:「う~ん、マスマスダメじゃん・・・(口には出してません)」
という事で、私なりの意見を述べさせてもらった・・・
それは、「正解を追いかける姿勢ってどうなのよ?」ということだ!
学校で一般に『頭が良い』という場合は、誰かが用意した正解に辿り着ける人は優秀という基準である。
つまり正解が存在することは絶対の前提である。
で、これを競輪に当てはめると大間違いなのではないか?ということだ!
いわゆる『マジメな選手』は、常に「これで正解?」という事を試合になってからまで迷う。結果、力があっても出しきれない!
そりゃそうだ「これで正解なのかな~?」なんて思いながらやってたら筋の出力にブレーキがかかる。
いわゆる『マジメな選手』は一つの正解を求めることが『真面目ないい選手』と思っているため思考停止になっている。
自分ではイイコトしてると思ってるから結構始末が悪い!
もっと言うと、自分の都合しか考えてない!
てな話をして、「だから正解をやろう!と思って試合に臨むこと自体がナンセンスなんじゃないの?
「そんな事やってっから、堂々巡りの反省しか出ないんじゃないの?」なんて話をした。
じゃあ何が大切か!
『マジメな人』が、苦手とする感覚『出たとこ勝負!』である!
「対応力」である!
『直面した状況に対して何とかする力』とも言ってみたい。
もっと言えば、正解は自分で作る感覚だ!
レースで言えば、組み立ては下手くそなクセして強引に勝ってしまう選手だっているのだ!それはそれでその選手が作った正解なのだ!
私が思う、マジメだが結果の出ない人はこの『対応力』に対する価値に重点を置いていないところでないかと思う。
そんで、自分の思う正解にならないとマイナス思考のループに嵌まり込む!
だから私はヨシキ選手に恨みも込めて(笑)言いました。
「競輪選手が出たとこ勝負力を磨かないなんて、むしろ不まじめなんじゃないの?」と・・・
9人の思惑がぶつかっているんだから、自分が最初から決め付けた正解になるわけないのだし、そういう競技でもないのだ!
『やれる準備はして、あとは出たとこ勝負をワクワクして楽しむ!』
「この感覚が大事じゃない?」
本人も「なるほど!確かに間違ってたように思います!」と何かを感じてくれた表情になっていた!
こんな会話をして迎えたレース!
初日は先行をしたが捲られてしまった。だが、私から見れば動きが軽くなっているように見えた・・
そして迎えた2日目・・・相手がヨシキ選手の先行を警戒して抑えてきたところを無理せずに引いて落ち着いて捲りを決めた!
これは今までにない動きであった。対応力が出てきた!
これからが楽しみだ、私個人の長引く不況ともオサラバしたい!
ちなみに対応力を磨くには、量だと思っている。