12月16日
H君が、大学にまた来てくれた!(写真は前回指導時)
今回は・・・ 2時間説教でした (笑)
教えたいことは山ほどあるが、そんなことよりしっかり人として付き合えるような関係を築いていきたいと考える。 結局、私の場合、野球の指導というよりは感情移入して「その人自身」と付き合ってしまうのが性分なのでどうしてもここを大事にしたい。
さて・・・ 前回よりも明らかに、笑顔で挨拶して現れてくれた彼を見て、「こりゃ、イケる!」と嬉しくなった。
小学生に 説教する方もする方だけど、聞く方も聞く方で・・・ (笑)
内容はまず、「どこまで行きたいのか?」という確認。
とにかく、ここを確認しないことには進まない。彼は「甲子園です」と答えた。
次は「どの程度行きたいのか?」という事を尋ねました。
どういうことか?
「例えば、海外旅行でアメリカに行きたいとする。テレビ番組の懸賞で当たったら行きたいという行きたいなのか?それとも、アメリカに行くには必要経費がこれくらいで・・・という計算をした結果、今からいくらづつ貯金をしていけばその額が貯まるか計算し、お年玉から小遣いまで節約して貯金して実現する。というような行きたいなのか?どっちかな?」
つまり、「行けたら行きたい」なのか、「何があっても行きたい」なのか?
そしたら彼は「何があっても行きたい」と言いました。
だから私は言いました。「よっしゃ!そしたらまず高校生になれないとイカンぞ!高校生がやるから高校野球であって、高校生になれなかったら高校野球にならないんだぞ!てことは、ちゃんとした中学生じゃなきゃダメだよな」
それから、『何があっても・・・』というのは、何も練習の厳しさやケガだけでない事を述べた。
人間関係、周囲からの誹謗中傷、孤独になるかもしれない恐怖との戦い、我慢、辛くても笑ってられるか?などなど・・・それでもやる自信ある? と尋ねた。
彼は少し戸惑いながらも、頷いた。
自分で質問しておいて何ですが、こういう質問に対して「自信あります!」と答えるタイプと「自信ありません」と答えるタイプとどっちがいいか?なんてのは実はよく分かりません。
大事なのは、『覚悟』だと思うんです。
「歯を食いしばれ」と言われてから殴られる方がケガしないじゃないですか(笑)
小学6年生にそこまで・・・と思われるかと思いますが、前作でも述べたように、このH君のようなレベルの子は、普通の子より危険なんです。
結構たくましいようで繊細で、指導者の心無い言葉や周囲の好奇の視線に潰れていってしまうケースがあるんです。
私はこれまで、有望な中学生が挫折していくシーンを何度も見てきました。
それは全て、技術の不足でなく、人間的な脆さからなんです。
私はその度に「先に言っておけばこうならなかったのでは・・・」と後悔しました。あんな思いはしたくないです。
勿論、指導者が反省しなければいけない事も多いのですが、お互い、感情を持っている人間ですから行き違いがあることは多いのです。
そこで腐らずに、柔軟且つタフにやれるかが重要です。
そんな時に支えになるのは、明確な目標と周囲のフォローです。 チームでトップになりそうな選手は目標を明確に持つことは自分でやらなければいけません。 これは大人でも大変な事です。
それから『周囲の適切なフォロー』をもらえるかどうかも大きいのですが、これはモロに日ごろの人間性によって決定します。
この適切なフォローというのは、何も「いいんだよ、お前は悪くない」というようなものだけでは断じてありません。
『善意から来る厳しさ』もフォローです。
それを間違えると、せっかくの修正する機会を失い、本人も引っ込みつかなくなって修正できなくなるケースもあるんです。
・・・で、この『善意から来る厳しさ』をもらうためには、日ごろの『誠実な姿勢』がモノを言います。
だって、あんまり関わりたくない奴に厳しい事言うのって面倒です。
そんな説教を H君、真剣に聞いてくれました。
小学生だろうが・・・というより『だからこそ』なんじゃないかと思います!
決めセリフは「H君、君が学校の勉強できたらプロ行けるよ!」
これはギャグでも道徳的な説教でもありません。
現在、上手い選手は、頭(成績)もいいんです。
時代は変わってます。
「野球だけやってりゃ~」のところは「野球すら・・・」になりつつあります。
この理由はまたどこかで・・・