つづきです・・・
『野球』がうまくなるためには「試合」をすべきなのですが、その効率の悪さから、できるだけ試合はしなくても『試合に近い形で』練習しようという工夫が生まれます。
まず、精神面から指導者は
「練習のための練習はするな!試合を常に想定してやらんかい!」というのが定番のセリフとなります。
前作で野球とは走者を巡る攻防のスポーツであることを説明しました。
そこで野球では、戦術練習と称して、通常のノックに走者を想定して行うエアランナーノック(そんな言葉ないですが 笑)があります。
私もやっていたのですが、ノッカーのそばに居る捕手が、ノックの時は司令塔として、ランナーを空想して、それに合わせて、「ノーアウト1塁~!」などと状況設定を叫んだ後、ノッカーから放たれた打球の状況により『一つ!』(一塁の意味)だの『二つ!』(2塁)だの、モタついたら「やっぱ3つ~~!」などと指さし、大声で叫び指示するわけです!
つまり、空想を伝達する作業です。
エアランナーにするのは安全面からみても重要です。
ノックの球数をスピーディーに稼ぐためにはランナーが走りまわると大変危険です。
さて、エアランナーよりも、もうちょいリアルにしようとランナーを付けてノックを打つ方法があります!
こうなるとノックのテンポは一気に悪くなりますが、実戦ぽくはなります。
大概はレギュラーが守って補欠がランナーというのが定番です(笑)
ですから、例えば「走者一塁の設定」となりますと一塁側のファウルゾーンに多いチームでは20人くらいがズラリと並ぶ状況になります。
この光景、野球だけをやっている人にとっては当たり前なのですが、他の競技の方から見ますと異様な状況に映るらしく、かつて陸上全日本のコーチの先生と共に大学野球部の練習を一緒に観戦していたら、
その先生が「アイザワよ!あそこに並んでいる奴は何してんだ?」と不思議そうに聞いてくるので、
「あれは順番待ちで、順番くるまでボケ~としてたら怒られるので声出してます」と答えたら「なんじゃそりゃ~そんな事やってんのか?不思議な世界だな~」と言われました。
まぁ、「野球界ですから」(笑)
ともかく、ランナーを巡る攻防を戦術練習と位置づけてやっているわけです。
この他に打者も交えて行う、ケースバッティングなどがあります。
さて・・・ここからが本題なんです。(長かったな~ 汗)
対戦型スポーツの攻防における戦術練習(つまり実戦を想定した練習)を効果的にするために絶対に欠かせない要素は何だと思いますか・・・?
ここをハズしたらタダの運動になるというポイント・・・
それは・・・
そう・・・日ごろ指導者が言っている「試合のつもりでやれ・・・」
つまり「お互いが本気で勝とうとしてやる」事です。
攻撃側は本気で点を取りに行き、守備側は本気で点を取られまいとする
「点を取らせてやろう」という相手から点を取るようないわゆる「八百長練習」(やっとでた 汗)では意味がない訳です。
「え?そんなの当たり前じゃんわざわざ書く事か?」と思われますよね。
しかし現場では、これが結構、難しいことなんですよ・・・・
それは選手がやる気が無いとかの責任ではないんです。
さらにつづきます・・・