競輪の吉木雄貴選手が、私の授業に登場してくれた。
実は、この日は本学のK岩先生の鍼灸治療を受けに来ていたのだがお願いした。
吉木選手は快諾してくれて、学生さんの質問にも気持ちよく応えてくれた。
本学にはスポーツに関わりたいという学生さんも多いので、プロスポーツ選手に生で会えることはいい刺激になったようであった。
さて、私が競輪好きなのはもはや説明の必要はないが、何もギャンブルを学生に勧めようというわけでは当然ない。
一つは、本学の先生はこうやってプロスポーツ選手が頼ってくるような先生がウヨウヨいるんだから、ちゃんと吸収してってちょうだいよ!という考えである。
それからもう一つは、将来的に治療院などに勤める可能性が高い本学の学生さんにとって競輪選手という存在を知っておくことは必ずプラスになる。
プロ選手というと、野球やサッカーなどのイメージが強いのであるがプロ野球選手など約1000人程度の話である。それに比べ競輪選手は4000人近くいるのである。
それから、選手生命にしても競輪選手は50代まで現役選手でいることは珍しいことではない。競輪選手は銀行で長期ローンまで組んでもらえるプロスポーツ選手なのである。
そして身体のケアには人一倍気を使うので、「この治療家さんはいい!」と信用してもらえれば長く付き合ってくれる職業でもある。
という事も学生さんには念を入れて説明した。
さて、話は本人の経歴などから始まったが、彼は地元出身なので学生の中にも同じ中学出身などがいてすぐに馴染んでしまった(笑)
また競輪学校での生活の説明などもしてくれて、生活規則や時間の制限が厳しく、ちょっとでも破ると竹刀でひっぱたかれる事や、携帯電話も持てず、公衆電話を使える時間は1日で5分だけ!という話には学生も驚いていた。
また競輪学校名物の登坂(急激な登り坂を一気に上がる)では、上りきった場所の脇で吐く選手が続出するために、そこには養分が沢山あって花がよく咲くという体育会系らしいエピソードには学生さんも唖然としていたのが面白かった(笑)
ナカナカ逞しい女子学生さんが、
「いくらぐらいもらってんすか?」とアッケラカンと質問してきた。
これには恥ずかしそうに、
「僕は低くて恥ずかしいんですが・・・まだ800くらいです・・・」
と答えた途端に、女子学生の眼が一気に変わった!(笑)
「エ~!800万で低いの~!スゲ~!」 その後は女子学生の眼がウットリとしていたのが実に可笑しかった(笑)
吉木選手はナイスガイである。
それは学生さんも同感だったようで、『競輪選手に認められるような治療家になりたい!』や『吉木選手を応援したい!』とコメントをしてくれた学生さんが多くでた。
(中には『カッコイイ!結婚したい!』という女子学生もいたが 笑)
今回の企画は学生さんにとって刺激になるであろうという読みはズバリ当たったが、私にはもう一つの狙いがあった。
それは吉木選手にとってもいい刺激になるということだ。
現在、吉木選手は成績はお世辞にもいいとは言えない状況である。
普通なら腐りかけてしまうところである。プロ同士の狭い世界にいて負けが増えてしまうと「俺なんて・・・」と投げやりになりがちである。
プロスポーツ選手であることを忘れてしまいがちになる。
しかし、こうして学生たちが自分の話を目を輝かせて聞いてくれるとなれば、
「そうか!俺はプロ選手なんだ!」と再確認することができるのではないかと思う。
何より、この学生たちの前でケチくさいことは言えない!と奮起につながる。
もし、そうならないならプロなんて向いてない。
プロ選手は一般人に元気を与えてこそである!
授業後には吉木選手も「いい経験になりました」と言ってくれた。
だから、「これからは学生が注目してるんだからね!ちなみに展開なんて分からないんだから、言いワケなんて聞かないぞ~素人の視線は怖いぞ~(笑)」と言っておきました。
学生にも吉木選手にも喜んでもらえてよかった・・・
メデタシメデタシ・・・
最後に鋭い学生さんからの感想
「相澤先生の顔がすごく楽しそうでした!」