思わぬ悪ノリが弾んでしまいましたが、当初はこれを書くための前フリでした。
野球少年が、「このポジションをやりたい!」なんて調子で野球を始めます。
希望のポジションで経験を重ねるにつれ、ポジションの専門家としての自覚や拘りが生まれてきます。
これまで述べたように、専門家としての自覚にはポジションによってかなり差があるのですが、皆が「ここのポジションのレギュラーを取るぞ!」ということを目標に頑張っています。
さて、チームを率いる監督としては、チーム編成を考えた時に選手各自のやりたいポジションと監督が戦略上やらせたいポジションが見事に一致している場合は両者ハッピーでメデタシメデタシとなりますが、大概は人気のあるポジションに有望な選手が固まるという現象が起こります。
監督としては、同じポジションに有望な選手が複数いても試合に出せるのは一人なので、
「他のポジションを守らせよう」ということを考えます。
そう・・・、コンバートってやつです。 いかに人気のあるポジションのピッチャー、ショート、サードに集まってしまった有望選手を、人気のないキャッチャー、外野、ファーストに回すか・・・
さて、このコンバート、ポジションへのプライドや拘りを持っている選手にしてみれば一種の敗北感のような気持ちが芽生えます。
(逆に外野をやっていたのに投手になったりするとアメリカンドリームのような気持ちになりますが 笑)
中には不貞腐れてしまうような選手もいます。
左遷されたような気持ちでしょうか・・・
さて、コンバート・・・一見、選手にとっては嬉しくない勧告なのですが、
超重要なポイントがあります。
それは・・・ コンバートされた選手は確実に『必ず試合で使われる』という原則です。
これは、監督の気持ちになって考えればすぐに分かるのですが、
「こりゃ、どうやっても試合で使う能力じゃないな~」という選手にコンバートを勧めることはありえないんですね。
そんな選手には「好きなポジションで補欠なら納得するだろうからそのままにしとこう」ってことです。
コンバートさせた以上、監督は「なんとかして試合で使いたい」というくらいその選手の能力を買っているということなんです。
それにプラスして監督にとってコンバートは「俺は選手の適性を見抜く能力があるんだぜ~」というのを見せたいという心理も働きますので、絶対に試合で使い続けるのです。
途中で「やっぱダメそうだからまた戻した」なんてのは、プライドの高い監督にとってはナカナカできないことなんです。
そう考えるとコンバートの受け止め方って全然違いますよね。
この感覚は仕事にも通じるのかもしれません。
補欠でもいいから拘るのか?試合に出る事を優先させるのか?
補欠なのにコンバートも勧告されないのはいいことなのか?
考えてみるのも面白くないですか?
さて・・・
こうなるとコンバートが発生した時に最もショックなのは誰でしょうか・・・
本人でしょうか・・・?
いいえ違います・・・ そのコンバートされた選手がやってきたポジションにそれまで居た選手です。
そりゃそうです、「お前じゃ物足りないから、こいつを守らせる」という死の宣告ですから・・・
私は高校時代、中学まで『キャッチャーだけはやったことない』という1年生選手が私のやっていたキャッチャーにコンバートされてきて、監督に「こいつを育てろ」と任命された過去があります。(私は2年)
彼は私の指導を素直に聞き入れ、スクスクと成長し、高校ナンバー1捕手と評されるまでになりドラフト1位になりました・・・
私の理論は合っていたということは証明されました。
えっ?私はって?
アハハ・・はは(汗)
最後にこうなるから、細切れにしました(汗)