後輩に軽々と胴上げされるミート・・・・
3月8日 関西医療大学卒業式
「あの先輩が卒業するなら行かねば!」
そんな人間関係を作れたミートは関西医療大学では間違いなく代表選手であった。
極端にいえばもしミートが居なかったならば、大学の状況はまた違っていただろう。
今年のクラス運営にいたっては彼が居なかったら完全に回らなかったと断言できる。
クラスの皆が嫌がるような裏方作業は彼がほとんど気を使ってやっていたのだ!
配慮の足りない教員と、現代風無関心気質学生との間を懸命に取り持ち、その小さい体で必死に「和」を大切にしたその姿勢には「お前は絶対にこの先にいいことあるぞ!」と願いながらも泣けてきた。
学年全体の卒業パーティーのみならず、学科の2次会の段取りまでしていることに私は驚いた。
それは国家試験直前の日々のことであるのだ。
この大学での最優先事項である国家試験前なんて誰だって自分の試験のことに集中したいに決まってる。
しかも、ミートは学力に余裕のある部類で無いのは皆が承知の事実なのだ!
それでも皆、自分に火の粉が回ってくるのを恐れてダンマリ決めた・・・
招待状配布など失礼の無いように走り回っているのを知った時、私は怒りで震えた。
「どうなってんだこりゃ!ちょっと俺が言ってやる」
と憤る私を制止したのは他ならぬミートであった。
「大丈夫です組長!受かりますから、これも組長の教えですから」
この時ばかりはさすがの私も「う~ん、ちょっとやりすぎたかな・・・」と反省した。
結果は出た・・
卒業当落線上でギリギリであったはずのミートは国家試験ではクラストップであったという・・・
カッコよすぎる・・・
そんな出来すぎた話があるだろうか・・・
まぁ、考えてみればこんなパーティーの世話人なんざミートがこの4年間でやってきたこと考えたら屁みたいなもんである。
それなりの人と出会い、濃厚な付き合いを重ねてきた経験を考えたら、
「こんなパーティーの面倒くらいでガタガタ言ってたらがっかりされちゃいますよ」ってなもんなのかもしれない。
考えたら私の理想形ではある。
理想形ではあるが、私自身が試験に落ちるわけではないので少々怖かったのも事実である。
そんな事ばっかりやっていて国家試験に落ちたらどうするんですか! などと言われるようなことばかりさせていた4年間であった。
私としては、「今しかできない出会い、経験がある、これが活きるハズ」という実験でもあった!
入試に2回も落ちた人間がお情けで拾われた大学で、多くの人との出会いを大切にし、最後はトップで国家試験を通過した!
彼が証明したのは
「本学の先生の話を誠意を持って聞いていたら必ず合格する!」ということだ!
これがデカイ! 正々堂々と真っ向勝負で勝ち取った!
2次会のパーティー、そこでも彼は冷静に司会として責務を全うした。
彼にこれまで相当に神経を使わせてきた学生が
「イエ~イ!サイコーだぜベイべ~!」ってな調子で騒いでいる・・・
せめて、彼を最後に称賛するくらいのことはしてほしかったが・・・
同級生がそこに気が回らないほど彼の仕事ぶりは自然であったし、それを望まないのが彼の流儀である・・・
彼の生き様は後輩に伝わった!
それがこの胴上げに凝縮されている。
彼の今後は明るい。
なんせ、彼が社会に出てくるのを手ぐすね引いて待ってくれている人は沢山いるのだ(笑)
「こりゃ資格取ったらあの人にもこの人にも、あの場所でこの場所で色々できるぞ~」とワクワクしていたのは他ならぬミートであった。
結局はこれが最高のモチベーションである!
ちったぁ社会に出て「組長に会えなくて寂しいです」くらい言ってもらいたい気持ちもあるが、
「いや~組長にかまってらんないっすよ~」 なんて・・・
私がさみしい・・・
ミートの応援をしてくれた皆さまありがとうございました。