いつも学生がお世話になっている中日小林選手の応援にいく。
場所は鳴尾浜 そう、現在小林選手はファーム(2軍)である。
小林選手はめげない男である。
なんてったって、クビになる寸前で活路を見出した経緯がある。
諦めの悪さは並大抵ではない(笑)
試合前には球場裏で少し会話をすることもできた。
「今日は学生は来ないんですか?」なんて気にしてくれるところが嬉しい。
近況を聞くと「やってやりますよ~」と野球少年の眼をしていた。
ファームの試合とあなどるなかれ、この日の先発は最年長記録保持者である。
味わい深いピッチングというか、きっちり抑えていた。
当たり前だがプロ野球の世界、学生とはワケが違う。
レベルが違うとかの話でなく、18歳と40歳が一緒に同じ土俵で野球をしている。
これって、今の学生と私が一緒にプレーするよりまだ遠い距離である。
この日、途中から駆け付けた学生はファームの雰囲気に軽くショックを受けていた。
彼は大のタイガースファンとして甲子園にはしょっちゅう行っているがファームの試合は初めてであったという。
私は慣れているが、1軍の試合をプロ野球と思って観ていた人が2軍の試合を観て思うことは『随分と静かなんだな~』ということであろう。
いかに1軍の試合がお祭りに仕立て上げられているか分かる。
興行的なものを排してシンプルにそこにプロ野球がある感じがするのがファームである。
1軍であればドンチャン騒ぎをしてくれているので気にしなかったが、ファームではあれがなくなるとこんな感じなのか・・・という雰囲気になる。
知らない人はこの状況を無気力と捉えるかもしれないがトンデモナイ話である。
ここにいるのは、全てアマチュアではトップレベルで騒がれて入団してきた選手である。
そんな選手たちが、あるのかすら分からないチャンスを掴もうと懸命にもがいている。
ドラフトにかかった瞬間は周囲もチヤホヤしてくれて、やたらと知り合いが増えたりするもんですが、いざ始まればそりゃ~孤独なもんです。
2年くらい出なかったら「あいつはもうダメだべ~」なんて陰で言われだしたりするもんで・・・
そんな選手たちの悲哀を想像しながら観戦している。
プレーを観ていて印象的なのは1軍で活躍している名のある選手は一見すると分かりやすい闘志を前面に出すなんてことはないのであるが、一つ一つのプレーが芯が通っているというか、「ピシッ!」としている。
例えば、荒木選手など2軍の試合なんてちゃんとやるのか?などと思いきやあっさりヒットを打った挙句にワンヒットですぐに次の塁に進んでしまう走塁などはなんというか「格が違う」感じであった。
ようするにタマタマではないということなんだな~とつくづく思う。
この日は、試合の展開上、小林選手の出番はなかったのは残念であったがフェンス越しに見る小林選手は憧れのプロ野球選手そのものであった。
この写真のようにフェンスにかじりついて観るプロ野球選手は問答無用でカッコいい!
なんだか童心に帰って晴れ晴れとした気持ちになる。
周りにもそんな人が沢山いた。
皆が選手をリスペクトしている。
いい時間と空間だった。
しかし・・・
先日指導したS選手の姿が見当たらない・・・
聞けば指導翌日に剛球が復活し素晴らしいピッチングを披露したのだという・・・が、
フォーム指導により急激にボールの勢いが復活したということは、逆に言えば指先にかかる負担が一気に増したということである。
指先のマメがベロッと剥がれ血だらけで投げたものの連打を喰らい、この日はメンバーにも入れず・・・
生き残りを賭けた勝負であったのだが・・・
指導して良かったんだか悪かったんだか・・・
切ない・・・
あとは運を天にまかせるのみか・・・