柔道整復師の国家試験があった。
いわずもがなであるが、我が関西医療大学は国家試験合格を最大の目的としている。
私が学生に対してどんなにいい教育をしているつもりであっても、
国家試験が不合格ならば、大学にとってはマイナスなのである。
これを「厳しい」と考えるか「それやりゃいいんでしょ」と考えるかは教員の勝手であるが、
本学の学生ならびに学費を捻出してくれた保護者さんのニーズは「国家試験合格」なのである。
さて、我が組員のターミネーター監督の子分くん(写真右)はいかがなものであったのか・・・(私の授業で自身の体験を1年生に語るミゾバタくん)
試験日の夜、電話がかかってきて「無事にいけました!明日からタイに旅行に行ってきます」との連絡があった。
お~素晴らしい!もし落ちていたらどういう旅行になったことやら・・・(笑)
さて・・・学生にしてみりゃ
「これまで教員にボロカス言われようともグッと耐えてきたが、国家試験さえ通ってしまえばこっちのもんよアッハッハ~もうお前らなんかにペコペコしねえぞ~」ってなもんであろうか・・・
気持ちはよ~くわかる・・・・
が、しかしな・・・
「国家試験さえ通してしまえばこっちのもんよ~」ってのは
実はこっち(教員)のセリフでな・・・・
「いや~いままでなんとか国家試験を通すためにちょっといじけたりしたら、色々励ましたり、ほんとは大したことね~のに
『お前はやればできるヤツだ~』なんて嘘ついてきたがこれでもうやらなくていいや」
ってなもんでな・・・
君らは「もう怒られなくていいや~」と思っているか知れないが、
こっちも「もう関わんなくていいや~」とラクになってるから全然干渉せんよ・・・
この試験が終わったあとの「あんたとは他人です感はいったい・・・」
これは夏の大会を終わった瞬間にもう用無し扱いの高校球児に近い・・・
オイオイ組長、そんなこと書くなよ~と思うのは学生か教員か・・・・
さぁ~これまでのお客様扱いに慣れきっていた学生よ・・・
「教員がいきなり冷たくなった」・・・・のではないぞ・・・
これが普通だぞ・・・
「自分なんて大したことない」というところからホントにスタートするのはナカナカ大変なことでね。
学生を終えてからうるさい人になってくれる人を作るのはナカナカ難しいですね。
さて・・・
今日は、卒業生が挨拶にきてくれた。
最近、卒業生がよく挨拶にきてくれる。
中には職場でナカナカ苦戦をしているという話も聞く・・・
ヒデ~話をするようであるが、
正直に言うと社会に出て3年以内の組員以外の学生とは会いたくないというのが正直な感想である。
なぜならば、組員以外の学生というのは、私の「学生サービスモード」の顔しか知らないからである。もっと言えば、私はノーマルな学生さんに対しては完全に他の教員との役割分担を考えてネコを被っているというか、
「優しい相談できる先生」を仕事(ホントに相談員です)としていたので話しやすい先生なのだと思います。
組員には反対に「野球界においての不文律」で行ってますから
「結果も出していないお前ごときが何を言ってんだ?」
というのを突き付けております(笑)
・・・で、サービスモードの私を期待して来てくれる元学生さんに対して、そこでも相談員だったときの私を期待されるとナカナカ辛いものがあります。
それでも、菓子折りを持って来たりしてくれるものだから、
何か話でもしたほうがいいかとお喋りするが、ついつい真面目に悩んでいるであろうと自分の頃と重ね合わせて力説して長話をしてしまい、あとで後悔する。
そもそも、「うまく行ってない」という話で、私が「えっ!お前がか!」とビックリするようなことはまず無くて、内心「ま~お前ならそうなるわな」と想定内なことが多いのです。
とはいえ、その短時間で「お前が甘いんじゃないの?」などとムチを打つようなことを言ってもな~、しかしこのまま「会社が悪い、上司が悪い」だけの思考もこれまたいかがなものかと・・・
「誰か言ってやれよな~」という思いからなんとなく私なりにあれやこれやと自分のできる限りの表現を駆使して、
「ま~色々あるけども、確かに上司も悪いかもしれないけども、別の見方をすれば、いいところもあるだろうし、あまりシロクロはっきりつけるのを美徳とせずにもうちょいやってみなさいよ」
などとまどろっこしい言い回しをしているうちに話が長くなり、
相手が時計なんかを気にする仕草に
「あ~、も~、だから話したくなかったんだよ~」と絶望するというパターンなのである・・・
いやもう、愚痴なんてのは同級生で居酒屋でやってる分にはいいと思うし、必要だと思うのですよ。だいたい、卒業して1年やそこらで
「自分の思う通りになってる仕事」
なんて言ったら、もうあと1年たったら「やりがいが無くなった~」なんて飽きるのがオチであって、
最初なんてのは「やりたいけどやれね~ぞコンチクショ~!」なんていう怒りをためておかないと、いざやれた時の持久力が出ないと思うんですよ。
そもそもホンネを言えば
「ヤイヤイ!だいたい貴様な~、てめえで客を引っ張ってきたわけでもね~のにエラそうなこと言ってんじゃね~ぞ!
お前はビラ配りでもして自力で人を集めたならまだしも、その会社の名前のおかげで客が来ているだろうが!いまどき、駅前でビラを1000枚配って一人来てくれたらラッキーという世界なんだぞ!自分の名前で人を集められるようになってから能書きを言ってみやがれ!」
などと言いたいくらいなのである・・・(言えたことはない 笑)
「人を集める苦労」を知らないで言うのが多すぎるぜマッタク・・・
などと鼻息を荒くしそうになるが、それを一番知らないのは大学教員だったりする。
ちなみに組員にはこれを叩き込んである。
逆に
「人を集められるならば発言力は増す」
とも言えるわけだから頑張ろう!
トレーナーなんて自分でいうものではなく、「言ってくれる人」がいるかどうかだと思う。「先生」なんてのも同じだと思う。
・・・というワケで今日来てくれた元学生さん
次に来るときは心して来てください。
(こんだけ書けばもうこないだろうがそれでいい 笑)
あっ、でも他の先生は優しいから大丈夫よ。