先日、思わぬ出来事から検索数が一気に跳ね上がり、ビックリして筆が止まってしまいました(汗)
考えてみれば、大学の名前を知らない人に知らせたということで、大学の広報のためにやっているこのブログの趣旨に一番適していた出来事であったと解釈しておきたいと思います。
授業で学生に話しをしたらけっこうウケたし(笑)
・・・で、前々回のつづき
コーチの最大の仕事はモチベーションと言われております。
あの手この手で選手の興味関心を持続させていくのが腕の見せ所であります。
野球界ではなんと言っても「甲子園」と「プロ野球」という2大目標が最大のモチベーションになります。
・・・というかなっていましたこれまでは
ですから、甲子園の出場選手である、とかプロ野球選手であるとか、関係者である。ということが、「この人ステキ!」と思ってもらえる武器になったものでありました。
思えば私も中学の監督が『元プロ野球選手と酒飲んだ』なんていう話だけで
「お~この監督はなんてすごいんだ~」などと感動し、
どんな理不尽であっても耐え切れた・・・というのは真実ではありませんが、
少なくとも「文句をいう」などという発想は浮かばない思考に洗脳されておりました。(いまでも解けておりません)
ところが、そんな話はもはや過去の産物でございます。
プロ野球選手だろうが、なんならメジャーリーガーだろうが、それが今時の高校生のモチベーションを上げる材料にはならないのでございます。
ですから、私がプロ野球選手の実名をあげて、『俺の知り合いの○○選手はな~』などと言っても、演歌歌手の話でも聞かされているかのような顔をされてしまうのがオチなのであります。
私の指導しているS林高校なんざは今時の高校生の時代の先端を行っておりますから、
レギュラー選手が真顔で「僕、プロ野球はキライなんで」と云うくらいであります。
「じゃあお前は、野球部なクセに何がすきなのよ?」と尋ねると
「僕は高校野球が好きです」と言うのです!
『自分のやっている高校野球が好き?・・・ってナニ?どういうこと?』
と私はなってしまっておりました。(皆様は普通ですか?)
確かに、私自身も中学時代は甲子園を見て「すごいな~」などと思いましたが、自分がやっている当時は「好き」とかではやってないという感覚がありましたが・・・
さて・・・この感覚の高校生を驚かすにはどうするか・・・?
高校野球のスター選手を連れてくると云ってもな・・・・
な~んて思っていたら、まさに
の状況を作ることができました。
トレーニングの合間なのに、皆、スイングに釘付けになっております(笑)
今時の高校生だと、たとえ阪神の選手を連れてきても
「いや、僕は巨人ファンなんで」などと云いかねないのですが(「そこじゃね~だろ」となるケース多発)
ワカヤマで高校野球をやっておいて、こいつが隣にいたらさすがに気になりますか(笑)
そういう意味では、なんだかんだで和歌山高校野球において
絶対的な存在である高校の主軸選手が、
自ら頭を下げて練習に来ている姿勢と、テーマを持った素振りを一心不乱に繰り返す姿はいくらなんでも刺激になりますわね(笑)
技術云々ではなく、こうした姿勢をナマで見せたかったので良かったです。
その後のオー山先生の話では姿勢の変わってきた選手も出てきているということで、高校生は気持ち次第で変化が激しいと思うので期待したいところです。
ナニを指導しているのか解説をしました。こういうのも嬉しいかなと思いまして・・・(・・・と思っているのが私だけで自己満足な場合が多いですが)
さて、今回のネタはここからですが(ながいまえふり 笑)
ナニを指導したかということですが、
足元にストレッチポールのハーフカットしたものを置いておりますが・・・
ステップ脚の意識についてあ~だ、こ~だやっておりました(笑)
ナニを言っているかというと、
「(ステップ幅は)広くても狭くてもいいけども、
ちゃんと『ここに着く』という意識でやってるか?流れで着地してないかい?」
ってなことです。
ということで、どこに着いている?と聞いて、そのステップ幅の位置にシルシ(ここではハーフカットポール)を置きました。
『これで振ってみ』といって振らせると、ステップ(幅)が狭くなってしまいました。
どういうことかというと、このハーフカットポールを意識して「踏まないように」ステップしたからです。
別に狭くしたりしたわけではないのですから、思い切り振ればいいのに、着地を意識して縮まりました。
ということは、ステップに関してはかなり感覚的な「だいたい」で振っていたことになります。
すいません、ここからしばらく野球人だけの用語になってしまいますがご容赦ください。(打撃理論に特に興味の無い人はとばしてください)
これを発見したおかげで彼の打撃に関するこれまでのことが色々とつながりました。
どうもストレートの打ち損じが多いのと、トップから一発で振れていない気がしていました。
打てない球が来たなら納得するが
「打てるハズの球を打っているのに打ち損じる、しかも差し込まれる」のはどこかがおかしいとずっと思っておりました。
逆に、変化球で少々崩されたときのほうがむしろヒットになっている。
嬉しいんだか、悲しいんだか・・・
このときは、「お~」と思いましたが・・・
これなんかそのもので、先にステップして待ってたからなのです。
腕の捌きはいいのです。
さて・・・
私は小学生のころ、隣のチームのコーチから
「君は素質があるから、これをやってみな」と教わったのが、
『バットを持たなくてもいいから、ステップ幅が目を閉じてやっても同じ位置につくように徹底的に反復する』
ということでした。
当時の私は「ふ~ん、そういうもんか」と思って、血の滲むような努力を・・・というわけではないですが、駅のホームでも、その辺の信号待ちをしているときでもステップを同じ位置につけるか?なんて動作をするのをよくやっていました。地面に線があるようなところだとすぐにそれをやっていました。
ですから、今でも同じ位置にステップするのは簡単に出来ます。
「こんなのみんなできんだろ」と思っておりました。
・・・・で、今回、彼を見たときに「あれ?けっこう適当にステップしてやがったな」ということが判明したわけです(笑)
いいじゃねえかよ、その時々でステップすれば・・・と思われるかもしれませんが、というより私も思ってましたが(笑)
同じ位置に着くことをやっていると、その他の部分がしっかりと安定してくるのです。
突っ込みながらのスイングが無くなってきます。
突っ込みながらステップすると、着地後にもう一度、上半身や腕で調節しなければならなくなるのです。結果、2段打ちのようになり、打球に力がなくなります。
腕の使い方があ~じゃ、こ~じゃ言うよりも前に、ステップ幅を広くても狭くてもいいからキチッと決めて着くことをやることで、スイングに思い切りがでる。
そんなことが、指導をしながら発見されました。
考えてみれば最近のトッププロのスイングって、一見、ステップの仕方がダラリとしているようなのが多くて間違えそうですが、着地は全部同じ位置というか、「意識した狙った位置」になっているはずです。
端的にいうと(といいつつ、すでにグダグダですが)、ステップ脚がユルイんです。
打撃においてはステップ脚は、その後にくる体重移動による重心や、カラダの回転のエネルギーを受け止めるカベにならないといけない役割があります。
そこがユルイということは、重心移動や回転により発生したというか育ってきたエネルギーは逃げてしまい上半身でもう一度エネルギーを再生産しないといけなくなります。つまり腕のリキミです。
ということで「手打ち」になります。腰で打っているつもりのタイミングとずれますので差し込まれやすくなる・・・・
・・・・のではないか?と思って指導しました。
こういう構図の写真を撮ろうとするカメラマンが育っております(カメラ Hirase )
ブログに使われる写真を撮ろうとしております 笑
こんな練習もやりました。
これは打撃マニアの方ならよく知る練習方法なのですが、トスを投げる側に技量が求められる練習方法でありまして、
「なんの練習なのか?」を理解していないと、「これがなんなの?」となる練習方法であります(笑)
実際に、このときも最初は空振り連発となって、選手本人も「なんだこれ?」となりました。
このミートポイントまで来てから打たないといけません。
難しい練習方法なのではありますが、投げてくれる相手がいれば、ティー打撃練習方法の大きな課題である、投球ー打撃角度の課題をクリアしてバットヘッドをセンターへ振り抜ける練習となります。
トスを投げる側からの視界。
バッターのストライクゾーンは打者よりも奥にあります。
その奥にあるストライクゾーンを通過するトスを投げるというのは、距離感を感じる能力が求められます。
打者の前に投げるのは簡単ですが、打者の奥のしかも空間(カベ当てではなく)を通過させるのが苦労します(笑)
実際に学生に投げさせますと、まず奥のストライクゾーンまで届かせられません。
この練習方法でバットを振りぬく感覚をつかむことができました。
そのあと、ステップ脚のつき方の指導をして終えました。
それなりに感触は出たのではないかと思います。
・・・学生がいいました
「先生ってバッティングも指導できるんですね」と・・・
私にとってピッチングは、教科書を指導している感覚です。
そもそも私は打者でした。ピッチャーの指導の専門家のように思われておりますが、それは中学の監督が「いいキャッチャーはいいピッチャーを育てられるもんだ!」
などと言ったから真に受けて調べただけであります。
その後、説明する機会が増えたもんでそっちが専門みたいになっただけであります。
打撃よりも論文にしやすい点もあったかな(笑)
じゃあ打撃はなんだ?といえばこっちこそ「自分がやるものとして研究した」部分であります。やるとなるとマニアな私ですので。
じゃあ、なんでそれを前面に出さないかといえば、野球界において打撃を指導する人というのは沢山おりまして、感覚の部分が大きいだけにケンカになることもしばしばなのです(笑)
あと打撃は個人の美学みたいなのも入ってくるから尚更です。
平和をこよなく愛する私は、よっぽど聞かれた時だけ指導しています。
あとはセンスみたいのもやっぱりありますから、メンドクサイのもあります。
ピッチャーに関してはドンくさいのも、ある程度まで理論で持っていけますが打者は大変です(笑)
長々と失礼しました。野球をキライな人にはさぞかし申し訳ない文章になっているかと思います。
さて・・・
とれーなーを目指している学生にしてみると、私がこうして選手個人と真剣なやり取りをしている様子をみて
「お~俺もこういうパーソナルトレーニングしてみて~」と思うものです。
そんな学生さんへ・・・
私は君らに見せれる性格のよい選手しか見せていませんので(笑)
パーソナルトレーナーってのはな~それはそれは大変なんだぞ。
自分にとっていい人との仕事ばかりではない・・・というか、そんなの少数だからな。
私なんかどれだけ屈辱的なパーソナルがあったか・・・
頼んだ人はやる気があっても本人がやる気がないパターンもあったりしてな・・・(笑)
悲惨なもんですよ。
こんなの私は絶対に仕事にしない。
性格曲がります(笑)