8月6日
初めての運動教室を行う。
股関節エクササイズ「つくえ拭き~」
・・・とこれを見たら、かつて手伝ってくれていた組員学生たちは
「あり?それって僕の時もやってましたけど・・・」
と思うであろう。
初めてなのは私のネタではない「相手」である。
この教室は「健康運動教室」ではない。
これは、看護学科の終末期医療の専門の先生に頼まれたものである。
この企画のテーマは「がん在宅療養」である。5回の講座の中の一コマを任された。
頼まれたとき、『え~ッ!僕はがんのことなんか分かりませんよ!』と言ったのである。
しかし、「先生のいつもの健康教室の感じでやって欲しいんです。がん患者さんは暗くなりがちなので楽しくやることが大切なので・・・」
と言われた(汗)
一応、図書館やらネットやらで調べてみる。幸い、2年前になんとなく授業資料のために録画しておいた番組が見つかり大いに助かった。
がん医療は、「命最優先」ということでやっていた時代から、そのあとのADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を確保することの重要性が言われている状況だそうだ。
たとえ、もう厳しいという状況でもギリギリまで自分で生活の用は足せるということの重要性が言われており、運動機能の維持に対する意味はますます重くなっているという。
しかしながら、指導できる人やらシステムの整備やらはまだまだ途中なのだという。
でも、重要なのは確かであるらしい。
制度が整っていないというと、「不安だ」という考えもあるが
「工夫し放題じゃね~か」と考えるのが私である。
相手はがん患者さんにその奥さんだったりするだけに真剣さ200%である。
そりゃスポーツ選手やら学生の相手も確かに楽しいけども、「藁をもすがる思い」を任されるのは男冥利につきるというか、「ここで燃えなきゃいつ燃える」ってなもんで「絶対にヨカッタと思わせてやる!」という欲がメラメラとする(笑)
掴みの運動、「広告つかみ」
新聞広告を片手で手のひらに収まるまで丸める運動である。
やってみると分かるが、指やら手のひらを色々と使う!
そんでもってクシャクシャの紙を突き破ることもやり、最後は丸めた紙をゴミ箱に投げ入れるという流れで会の雰囲気を作る。
こういうのはライブである。
ちょっとワイワイとなります。
最初は暗いというか、皆さんマジな感じでしたがほぐれました。
考えてみりゃ私が病気の話をしたって仕方がないのであります。
広告一つでいろいろできます。
こんなことを書くと、「よし、それやってみよう」と思う卒業生もいるでしょうから、ここで要注意を言っておく。(ホントは言いたくないが致命傷をおってもいけないので)
私もこの日にハッとしました。
このネタのために広告をかき集めて、いざ参加者の皆さんに配るための直前準備の時です。
学生に任せながら学生が席にセットした広告の内容をよむ・・・
「お~パチンコ屋の新装開店か~最近いってね~な~」
なんて思いながら別の広告を見ていたら「ギョッ!」っとした。
最近の広告には「セレモニーホール」やら「墓地」やら「墓石」の広告が結構入っている!
『おい!すぐに全部確認しろ!』
幸い、参加者に配る前に危機一髪で回収できた・・・
これはシャレにならん・・・
こんな話は、書くべきではないかもしれないが、こういうネタこそこれからやろうとしている若者には重要だと思う。
気を付けてください。
紙のみに意識が行きそうですが、新聞、広告を使う場合は念のため中身を確認してください。
何かを見つけて『あ~!』と声を出してます!指を差して腕を伸ばします。
片足も伸ばしておきます。『声を出すのも大事です!ただし昼間にやってくださいね!』なんて軽くふざけます。
「あ~へ~あ~ほ~」なんて声を出します。呼吸筋が鍛えられます。
『がんリハ』の中で呼吸筋というのは大きなテーマだというので入れました。
タオルを膝の下に入れて腕で持ち上げるエクササイズです。(回したりもします)
腕の力を鍛えるのと股関節のほぐしエクササイズになります。
『これをやると、股関節がほぐれて足がよく上がります~』なんて言って、
「ねえ、軽くなったでしょ?」と前に座っている赤いおばさんに聞いたら
『いや、よくわからん』などというから
「そこは軽くなったと言ってくださいよ~」なんて言って
「お~軽くなった~ 笑」と合わせてもらうという・・・
それを言えるくらいの空気感まで持って行けたら楽しいですね。
(若いうちはマネしないように)
背骨を動かします。硬くなりやすいそうですから。
不安もありましたが、会としては盛り上がり、参加者さんからも
「楽しかった~今日は良く眠れそうだ」などと言っていただき「やったぜ~」ってなもんです。
緊張しましたが、やりがいがありました。
最後にスタッフで記念撮影。
看護学科の先生にも喜んでもらえてヨカッタです。
運動指導って深いというか広いというか、こりゃ相当にやりがいというか、意味があんぞ!という事がわかりました。
でも制度が整っていないらしいから、とりあえず私みたいなのがやったらいいんではないかと・・・
(卒業生の良い子のみなさんはまだ無理すんなよ~)
安易に、ここに書くような話じゃね~だろ!
という考えもあるかもしれませんが、逆に若い衆がビビらないで
「よっっしゃやりましょ!」となることの方が有益だと思って書きました。