身内から「最近の内容は難しい」とご意見をもらい、
じゃあ簡単なの・・・と思いながら「どうすっか」と悩んでいて、
「ヘタに野球のを書くから、怨念がこもりすぎて気楽に読みたい人にとっちゃ重くなるんだな・・・もう野球の批判的記事はやめよう」
などと、グルメネタなんぞを考えながら、TVを見ていたら、
見ていたNHKニュースのスポーツコーナーで特集された投手が、
なんと私が一番書きやすい(怨念のこもった)投げ方をしていて、
気楽どころか、
真反対に多くの人をおいてけぼりにする自己満足というか、
自分への鎮魂歌的ネタを書くことにする。おゆるしを
(気楽なのは次回以降 )
その投手とはこちら
なぜ、この投げ方が私にとって思い入れがあるか・・・
それは、私が大学院時代に、投球フォームの研究をしている中で、
マダックスや、クレメンス、ハーシュハイザーなどの大物メジャーリーガーや、
日本で勝っている投手、逆に「球は速いが勝てない投手」
などなどからそれぞれの
投手の持っている『フォームの要素』を考え抜いた結果、
その要素を極端にやりゃこうなる。
ということで考えたフォームそのものだからである。
そもそもは「インステップ矯正フォーム」だったのですけど。
ちなみに、私はその指導を実行に移し、
「勝手にいじるな!」と甲子園優勝監督に怒られたが、
果敢に『こういう理屈でやってんだ』と食って掛かった。
ちなみにそちらは、プロのスカウトなどにも意見を聞いた結果
「そういう方法はあるっちゃある、だが合うかどうかはわからない」
ってことで全否定でもないが答えが出ず、
こちらは孤軍奮闘、あちらは大組織。
思えばこっちも気合いが入っていた。(26歳くらいの時かな 笑)
私の仮説の根拠となったのはいくつかの投手のインタビューや出来事であった。
〇稲尾和久
「長嶋さんと対戦するときは、リリースギリギリまで決めず、長嶋さんの左肩の動き(開く、閉じる)でコースを分けた」
投げている途中でスクイズを察知し、カーブのままウエストしてスクイズを外した伝説のプレー
江夏がタバコを吸いながらインタビューに答えてる(笑)
〇工藤公康
「調子がいい時は打者がよく見える」
まず私はこれらから、勝っている投手は、
リリースギリギリまで調節できる投げ方をしている。という仮説を立てた。
そして極め付けはこれ
一番嫌な投手はロッテの黒木 『目が怖い』
以下、黒木投手のフォーム
そうか、打者は投手の目を見ているのか・・・
長く見られると嫌なんだ・・・
そのあたりもミソかもしれない
当時の黒木投手のフォームは、他の投手に比べて、
『横向きのまま体重移動する間が長い』ということを感じていた。
ようは、身体(両肩)を回すのが遅いタイプ。
ちなみにこちらの投手も
そんなこんなの色々な要素が加わり、
いわゆる共通点みたいなものを言葉にできないながらも整理できていた。
・・・で、
これっていわゆる「肩が開かないフォーム」なのだけど、
当時は、腕の使い方やら「開くのを我慢する」という指導でした。
つまり、意識して「開かない」をやらなきゃいけない。
でも、よく考えたら、
「そうなっちゃうのはなぜか?」を考えなきゃ、
打者に向かって投げる時には無意識なんだから、
実際には使えないんじゃないか?と思っていました。
結局、これって、肩の問題じゃなくて下半身からのチカラの流れなのです。
だから、下半身の使い方とその方向で変わってくるのです。
最初の森脇投手の投げ方ですが、変則に見えるのは、
「上げた脚を、一度真下に下ろすというところから、投球フォームの流れがギクシャクするように見える」というところだと思います。
最初に述べたように、
必要な要素を極端にやればこうなるというフォームで、
成功している多くの投手は、
この要素を取り入れながらマイルドにしているのです。
ちなみに、試合前のキャッチボールなどを見ると
一つずつ要素を確認しながら投げているので
このような投げ方をしている投手は多いです。
森脇投手の素晴らしいのは、おそらく自分でも
「もう自分はうまくつなげてスムーズな投げ方をやるセンスも無いし時間もない、
必要な要素だけやって、あとは打者との勝負に集中する」
と開き直っているところだと思います。
イケメンだからフォームでカッコつける必要がないというのもあるかもしれません(笑)
このフォームをやれるのは、
「何のために、これをやっているのか?」
が分っている必要があります。
「ダサいのにはワケがある」じゃなきゃ意味がない。
カタチだけをマネしては
「なんだこれ?」ですぐに嫌になります。
要するに、余計な「つなぎ」への神経をなくして、
その分を「動いている中でも打者を観察する」に使っています。
ですから、ギリギリまで調節できるので打者にとっては非常に
『嫌な間合いになります。』
ソフトバンクの和田投手も三振率が高い投手ですが、そういうことです。
今年のダルビッシュ投手も、テークバックはほぼキャッチャー投げにして余計なものを排除して打者との勝負に集中してました。その分、髪の毛を余分に増やしていたのかもしれません。
かつての大魔神佐々木投手もそうでした。
要するに、投手には色々なバリエーションがあるので、どれも正解なのだと思います。
いや、そもそも正解を探すものではないのかもしれません。
そのフォームをやるなら、ここを気をつけよう。
そっちをやるなら、こっちを気をつけよう。
そんなに神経を使いたくないなら、これでやったら?
というように、組み合わせでなりたっているところに面白さがあります。
例えば、アーム式で大きくテークバックを取りたい!
ならば、「腕が上がってくるまで打者方向を見るのを待ちましょう」
そんなのイヤダ!さっさと打者に向かって突撃したい!
それなら「テークバックを小さくしてさっさとトップを作りましょう」
というような感じです。
アーム式が悪いわけじゃないのです、「それやるならこれ」という組み合わせが悪いのです。
大概、アーム式でやりたいタイプは「力感重視」が多くて、ツッコんでいきたいから、ダメな組み合わせなのですけど(汗)
アーム式の軟投タイプはけっこういいんですよ。多分、藤浪投手が軟投派になったらそれはそれで面白いんですけどね。変な間合いになるから。
アーム式と力投の両立を狙ったからおかしくなってたんだと思ってます。
自分がどの要素で勝負するのか?を決めて、そのために必要な要素を鍛えたり、磨くことができるか?それは自分の都合で決めるのか、周囲の状況によって決めるのか、それもそれぞれだと思います。
私が、投球フォームを観察するのが好きなのは、
そこにその投手の「思考(哲学)」が出るからです。
「あ~そっちを重視したわけね」なんて感じで楽しんでいます。
「カッコいい重視」「スマート重視」「打者との勝負重視」「カタチの理論重視」「障害予防重視」「楽さ重視」「力感重視」などなど色々と見えます。
まぁ、スポーツって、
自分のこだわりがないと面白くないのでそれでいいのだと思います。
もうちょっと説明聞いてくれりゃ~な~なんて投手も沢山いましたけど、
それも含めてお互いの運ですね。
写真にあげた吉見投手も、そりゃ~考え方がつまったフォームをしてましたね。
ふと思ったけど、よくま~エネルギーを費やしてたな~(笑)
それを学生やら、卒業生に求めちゃいけませんねこりゃ
長々とすいません。
自分でお金を払って書いているブログなのでお許しください。
こういうのに興味のあるお方がいらっしゃいましたらコメントいただけたら幸いです(汗)
孤独にやっておりますので(笑)