阪神タイガース 伊藤将司投手
いや~勉強になりました。
なるほど、だから勝っているのだなと。
クライマックスシリーズ第2戦を観戦してきました。
卒業生でトレーナーをやっている新井さんに招待してもらいました。
球場は満員の中で、用意してもらえたのは1塁側のアルプススタンド。
(高校野球で応援団がいるところです)
野球観戦は、どこの席で観るかによって雰囲気はガラリと変わる。
バックネット裏の最前線であれば近くて選手の表情や肉感など、迫力はあるが全体感は分かりにくい。
逆にスタンド上方であれば、選手の表情はわからないが、俯瞰して全体の中でプレーを楽しむことができる。
他にも沢山要素はあるので、「置かれた場所で、楽しむ術を持つ」のがおススメ。
ライト側アルプスのこんな位置。
せっかくなのでいただいた阪神グッズで乗り込む。
というわけで、この席に試合開始の1時間前に乗り込んだら、ピッチングフォームマニアの私にとっては極上の写真を撮ることができた。
ちょうど、外野でのキャッチボール(遠投含む)をしていて、私に向かって投げてくる角度になった。
かつて、ブルペンキャッチャーだった私はこのキャッチボールの相手をよくやった。
だからこの角度で投手を見ることが習慣だったので、この画角の見る目が一番得意だったりする(笑)
うっひょ~!ニイサンありがとう~! いい席もらった~
これだけでもう大満足でした。
予告先発で伊藤投手と聞いた時に、「なぜ勝てるのだろうか?」と疑問に思っていたので、その謎が自分なりに解釈できました。
以下、連続写真をもとに勝手な自論を述べる。
(あくまで自論です。ニイサンが読んで、本人に聞いたら「違ってます」という可能性もありますが、私の趣味ですので 笑)
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
顔の面がずっと変わりません。これならコントロールが崩れない。
それから、打者をずっと観察していられます。
この投手は、体を別々に動かすことができます。
大雑把にいうと、腕と足と首をそれぞれ別々に動かしていると思います。
だから戦術的なバリエーションが豊富になります。
普通は一体感のあるフォームが大事なような気がしますが、「投げっぱなし」で良い競技ならその方がいいのですが、対戦型の「ピッチング」では、相手に合わされやすくなります。
(みどころ)
(1)全体を通して顔の面が変わらない
(2)③④の写真では着地しているのにまだ胸は前を向いていない。
いわゆる開いていない状態
(3)テークバックのボールの位置が打者から見えない
(4)⑤⑥肩だけ前に出てきている。(体幹から両肩の回転ではなく、肩甲骨の動きで投げている)
(5)⑥⑦⑧リリースの時に前の膝が緩まない(むしろ突っ張る)ここで緩むとリリースがぼける。
(6)全体を通して勢いで投げてない。どこでも止めたり戻したりできる余裕のある構造のフォーム。(常にどこかで支えている⇒飛んだり抜けている部分がない)
前足の着地と、ボールが出てくるまでの差が大きいほど、打者が打ちにくくなる効果があります。
スピードがあるのに打たれる投手は前足の着地と球が出てくる時間差が少ないと思われます。時間差が少ない場合には打者からしてみれば全体の投球動作にタイミングを合わせればちょうどよくなります。
逆に、この伊藤投手のように着地しているのにまだ腕が出てこないと打者はどこに合わせればいいのかわからなくなります。
「じゃあ、みんなこれをやればいいじゃん」と思われますが、これをやるには、肩甲骨周辺の動きが柔らかくないとできません。
肩甲骨の動きがやわらかく、腕だけでもそれなりに投げられる使いかたができることが条件になります。
「なるほど~、こりゃ試合になったら色々とできる投げ方だな」
・・・てなことを試合前に思っていながらシャッターを切っていました。
・・・で、試合。
結果はご存じの通りですが、試合編はまた次にしたいと思います。