kokokaramakuruの日記

野球 金魚 競輪少々 思いついたことをビビりながら書くブログ

野球小話

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3年前の写真です

 

よく、「失敗を恐れるな」をあらわす人生訓みたいなものの例えとして、

「プロの一流打者でも、よくて3割残りの7割は凡打しているのだから、失敗を恐れずに思い切ってやるように」

 

なんてのがあります。もちろん野球の指導でも使われるセリフです。

 

この時、皆さんはどのように解釈されているでしょうか?

 

おそらく、

「すべてヒットを打とうと努力して、

10割を究極の理想としてやっても7本は失敗する」

という意味と思っているのではないでしょうか?

 

そうじゃないと、

励ましの言葉としての意味が無くなってしまいますものね(笑)

 

さて、

プロ野球の1流の結果を出している選手というのは果たしてどうなのでしょうか?

 

先に結論をいうと、プロの1流と呼ばれる3割打者は

「3割」を狙っているのであって10割は狙っていません

 

どういうことか?

 

ちょっと話を替えます。

 

いわゆる入試などの「受験テクニック」の王道として、

 

「目的はあくまで合格なのだから

全問正解を求めるのではなく、

できる問題から確実にやっていき

合格点を満たすことを狙う

 

というのがあります。

 

ですから、試験開始と同時に、一目散に1問目から解いていくのではなく、

まずは全体を見回して確実にデキそうな問題から解いていき、

『ホントはできるのに、時間が無くてデキなかった』という悲劇だけは無くす

というのがあると思います。

 

もちろん、その上で

合計点が合格点に満たす実力をつけておかねば話にならないのは当然です。

 

「全問正解を目指して1問目から解いていく弊害」

の一つとして

「つまづく問題」に時間をかけすぎてしまったり、

できなかったショックを引きずって、自信が揺らいでいる状態で、

本来できるハズの問題に対してのぞむから「ブレる」ということが起きます。

 

さて、もうお気づきと思いますが、野球にアテはめます。

 

10割を目指すバッティングというのは、

1問目から全部を解こうとしていくのと似てはいませんでしょうか?

 

特に打撃の場合は全部に対応しようとしてじっくり良く見て打とうと思いますと、

「フルスイング」は難しくなります。

 

脇を締めて「コツコツ」と当てに行くようになります。

 

では反対に、全コース・全球種を打つのではなく

「ココというところに来たら(つまり自分が打てるところ)全集中を注ぎ一発で振り切る、そこが3割分になればいい。

 

となればどうでしょうか?

先ほどの受験テクニックに近いと思いませんか?

 

 

そう考えてみると、

各チームの主力打者って平気で「見逃しの三振」をしていると思いませんか?

けっこう堂々としてますでしょ(笑)

ガツンと打っている時が多いから言いにくいけど、

もうちょっと誠意を見せて・・・なんて思うときありません?(笑)

 

あれはもちろん「狙っていたのと外れた」からです(笑)

面白いのは、そういう打者って案外打率も高いんですよね。

鈴木(広)山田(ヤ)あたりもけっこう多いんですよ。

 

そういや丸選手が「球辞苑」という番組の選球眼という特集の時に言っていました。

「全球を追いかけないように心がけている」と。

つまり崩れるわけです。

 

極端なシフトを引くのも、「崩すことが目的」なんて言ったりします。

プロの場合、トータルで成績を残そうとしたら

「自分のカタチを崩さない」ということが重要ということかもしれません。

 

空振り三振多発のブンブン丸みたいなのは三振も多い上に打率も低かったりします(笑)

 

 

 

さて、「そうか確かに」と理解してもらえたという前提で次の話。

 

じゃあ、

「みんなそうすりゃいいじゃない10割目指して打席に立ってるってアホなんじゃないか?」

と思われますでしょうか・・・

 

ところが、

もう一方で、野球界には

「チャンスは自分で掴むものだ、チャンスを掴んだものが次のチャンスを与えられる」といかにもモットもそうな困った格言というか考え方があります。

 

でも・・・

 

『それ言ったら監督いらないじゃん』

 

と私は思いますけど(笑)

誰だってデキるじゃん(笑)

「監督が腹を括って下す判断なり、勝負どころ(見せ場)はどこにあんのよ」と。

それをやるために高い給料と地位をもらっているんじゃないの?と

 

 

つまり、1打席をもらって

「ヒットだったら、もう一打席もらえる、ダメだったらお終い」

ということなのですが、

アナタがこのチャンスをもらった打者だった場合、

どのような気持ちで打席にお立ちになるでありましょうか?

 

「自分のツボにヤマを張って全力で振る!」

 

・・・と、言った上で実行できるあなたは勝負師です。

あと、競輪も向いています(笑)

 

でも、大抵は「全球種・全コースに対応できるようにしておこう」となるわけです。

 

そうなりゃどういうスイングになりますか?

ワキ締めて、『コツコツ当てる感じ』になる気持ちって痛いほど分ります。

つまり10割目指してしまうのです。

 

ですから、

プロの中でまず「見逃し三振を許される立場」になることが非常に重要なんですね・・・これがまず難しい。

 

ですから、

ドラフト上位で鳴物入りの打者の方が取りあえず

「しばらく使うから」という期待保証つきで試合に出してもらいやすいのです。

だからメチャクチャ有利です。

 

言われてみれば、

ホームラン打者はドラフト上位者だと思いますがいかがでしょうか?

そりゃそうです、「例え打たなくても、しばらく出すからシッカリ振れ!」と落ち着いて打席に立たせなければダメですよね。

今でいえばロッテの安田選手あたりか、村上(ヤ)もそうか。

 

逆に、育成から上がって来たとか、

後から上がって来た打者というのは、脚が速かったり、

コツコツの安打率が高かったりするかと思います。

ホームラン打者で育成やドラフト下位から這い上がって億円プレーヤーって、そんなにいないと思いませんか?(イチローは安打タイプということで)

 

てなことから考えると・・・

 

と、話を続けようと思いましたが、ここからまた具体例を出してやりだすと、

とんでもない文量になるのでひとまず終わります。(笑)

 

要は、そんな視点でプロ野球を見るとまた面白いかと・・・

 

マチュア野球にはない感覚の世界がありますので・・・

 

この前提を踏まえると、また今年の日本シリーズの意味も違ってみえるかと・・・

 

ウケたらまた続きを書きますが、こう考えると監督のやることって・・・

 

なんてなことも見えてくるような気がします。

 

私はそういう意味で矢野監督を支持します(何のチカラもないけど 笑)

 

2軍の監督時代に社会人の近本選手を自分で見てドラフトでとり、

自分で「コイツで勝負する」と決めて批判があっても使い続ける。

こういうのが監督業じゃないのと・・・

 

それに引き替え・・・

 

いや、やめよう長くなる(笑)