つづきです(前から読んでください)
ただならぬ声がしてきました。明らかに怒り狂っています。
成績を配布した先生に女子学生が猛烈に抗議しています。
しかも泣いております。
「なんだなんだ?普段マジメなあの子がどうしたんだ?」
その様子をみているとどうやら、成績が大暴落したとのことでした。
1位だったのが50位くらいになってました。
そりゃショックですよね。
先生も女子学生に泣かれてるだけに
「う~ん、なんだこりゃ、おかしいな~」などと言いながら慰めておりますが、女子学生の怒りは収まりません。
これ、何が起きたか分かります?
そうです。成績順位の出し方がこの年に変わったんです。
大学がこの年からセメスター制度というのを導入しましてそれに伴って変わったんです。
つまり、打率から安打数に変わったといいましょうか、要は率から合計点になったのです。
ということは、アホみたいに単位数を取っていた私が一気に順位が上がり、
率を守るために履修科目を少なくしていた女子学生は一気に順位が暴落したのです。
これどう思います?
前の制度では、この女子学生は優秀で私は低評価だったんです。
しかし、新制度では私は優秀な学生となり、女子学生は低い学生になってしまったんです。
私はこの成績のおかげで25万円もらいました(半期分)
しかも、総長賞ももらいました。
皆さんは私がこの時、
「良かったな~タナボタでラッキーじゃん!」と思ったと思いますか?
私はむしろ寒気がしました。
「おそろしいな・・・」と
どういうことか説明します。
この女子学生(Aさんとします)は友人でしたし非常にマジメでイイ子だったんです。
テストにも努力するし、レポートも誠意を込めてやる学生でした。
私もテスト前に教えてもらったりしました。
だから成績もオールAで1位だったんです。
その優秀でマジメなAさんがなぜ3年以降ほとんど授業に出なかったかというと、
そうです「50万のため」です。
そりゃ~大学生にとって年間50万はデカイに決まってます。
しかし、大学で将来に向けて学びたかった(学ぶべき)ものと引き換えにするには50万は天秤にするまでもないほど安すぎます。
能力の高いAさんなら、こんなの気にしなかったらもっと大きな学びをしたはずです。
学生さんに伝えたい重要なポイントは、
私のこの場合、もし順位は悪かったとしても
「自分のやりたい事はやった」というスカッとした充実感があり且つ、得るものも沢山あるやり方を選択したところにあります。
(当然、制度変わるなんて知らないでやってましたから)
しかしAさんは「50万のために自分のやりたい事を殺す」選択をしました。
これだと、上手くいっても「50万がマックス」です。
もし失敗したら「何も残らない」のです。大学まで何しに来たの?ってなもんです。
優秀だった分、強烈な後悔だけが残ります。
これ、私が反対の立場だったら
「制度に振り回されて取り返しのつかない事をしてしまった!」
と一生後悔したはずだと恐ろしくなりました。
つづきます