7月14日と15日は私の約25年の野球人生において特別な2日間となった。
まず、14日はロッテの小林敦選手がプロ初勝利を飾った。http://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2011071405/top
強打を誇る西武打線を7回零封し、見事に勝利投手となった。
メールには「初回からずっとヒヤヒヤでした」とのことだが、さすがであった。
彼は負けても腐ったり、他人を批判したり、自分の不運を騒ぎ立てたりすることが全くない性格である。味方のエラーにも動揺することなく落ち着いて投げ続けた。
深夜のスポーツニュースで、相手のホームラン打者から「足のあげ方が独特でタイミングが取りづらかった」というコメントがあった。
そこはかつて「上で勝てるように」と仕込んだ日々が報われたような気がして私が嬉しかった。
そして、続く15日今度はヤクルトの村中恭平投手の出番であった。(写真)
こちらは開幕早々に、脇腹の肉離れという故障に見舞われ、2か月の戦線離脱からの復帰戦であった。
「呼吸するのも辛かった」というほどのケガからの復帰戦であったがこちらも強力巨人打線を6回1失点の好投で今季初勝利となった!http://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2011071501/top
私はこの日の投球から、ほぼフォームは完成だと確信した。大まかな感じはこれでヨシである。
彼ほどの身体能力があれば極めてノーマルな投げ方をしておけばあとは勝手に身体能力がやってくれるのだ。それが、3年前に指導した時に伝えたかったことであった。
さて・・・電話くれた彼に私はこんな指摘をした。
「これでひとまずフォームに関しては言う事ないし、これから先は安定した結果を残せる事と思う。あとは勝負論の世界になると思う。そこで気をつけたいのが基礎体力づくり(動きづくり)を絶対に怠らないように」ということである。
これは実績を残せば残すほど自分で意識しなければいけないポイントだ。
フォームが良くなるというのは、合理的な動きが身に付くことと言える。
・・・で合理的というのは『いかに小さい労力で、大きな力を発揮できるか?』ということになる。
これは、試合においては有利だが、無駄が無い分、体力づくりという点においては衰えることになる。
野球は、コツでやれてしまう部分がかなりある世界なので、多少持久力や筋力が劣っていてもコツが分かっている選手の方が結果が出るという現象が当然起きる。
だから、平気でタバコ吸ってるような選手が活躍しているという現実もある(かなり減ってますが)
試合をなんとかまとめるコツを持った投手は、コンディションの波を感じさせない。
いい投手の条件としてあげられる「悪いなりに投げることができる」ができる。
しかし、これはよっぽど意識しておかないと、自分のプレーとなる基盤の体力が落ちていることに気付きにくいというリスクがある。
しかも、試合で結果を出し、年俸も上がってきた選手(彼は今期5000万)にはトレーナーもハードなトレーニングを課すことは難しくなってくる。
ということで、そのツケは30歳を過ぎたあたりからテキメンに現れ、もはやテクニックだけでは誤魔化せない状態になる。
そういうパターンが非常に多い。
まぁ、考えようによっては、高額の選手には適当なところで引退してもらうほうが球団としてはありがたいという解釈もあるんですが・・・(汗)
阪神の鉄人さんは、いまだにオフには若い時から通っているジムで300キロのスクワットやったりしてますが・・・要はそういうことです。
てなわけで、「今回の好投はリハビリでの地味なトレーニングがかなりプレーに好影響をもたらしてるから、これからもケガをしてなくても積極的にやったほうがいいよ、10年後を睨んでね!」と伝えた。
「なるほど!わかりました」と彼
高校時代から、メモ帳持って話を聞くタイプの選手だ。
相変わらずインタビューは冴えないが、地味な努力をするタイプだ
ケガするたびに何かを掴んで復活してくる。
順調に成長しています。
というわけで、今週は、相変わらず私は勝てないが、教え子の連勝となった!
この勢いが18日の星林に届きますよ~に!