プロ野球の解説などで投手を評する時に決まってでるフレーズ
「腕が振れている」
投手コーチが言う言葉「腕を振れ」
ヒーローインタビューで投手が言う言葉「腕がよく振れました」「腕を振ることだけ考えました」
この言葉があるおかげで私の話を聞いた選手が喜んでくれます。
「そういうことだったんですか」と・・・
この言葉の解釈で随分と差が出ます・・・
言葉というものの性質として完全に伝えることはできません。
同じ言葉を聞いてもどのように解釈するかで大きな差がでます。
特にスポーツは・・・
天性の素質などと言いますが、肉体的資質もありますが、言葉に対する主観的な感覚的解釈(そんな言い方でいいのか分かりませんが・・・)が大きな分かれ目になるかと思います。
そう考えないと、なんで同じ環境でこれだけプレーに差が出るわけ?
同じコーチに教わっているのにこの差は何?と思います。
まじめとかフマジメの話ではありません。
だから指導言語として工夫しようと思うならば、出来るだけ生活体験につなげるような表現をしていく方が、言葉の誤差が減ってくるわけです。
ですから分かりやすい指導はたとえ話が多く出てきます。
例えば、ボールを軽く握れ・・・という表現をより肉体的感覚につなげるように「生卵を割らないように握っている感じ」などというとその「程度」がより具体的になるわけです。
さて、この日、社会人野球七十七銀行(仙台)の選手である秋山捕手、大野内野手、相原投手の3名が大学を訪れて私の指導を受けた。
大阪ドームで行われている日本選手権に出場するために大阪に来た勢いで私のところまで足を伸ばしてくれた。
日本選手権に出ているということはアマチュア野球界の最高峰のトッププレイヤーである。
そういう意味で野球に関わりたい学生さんにとってはいい経験になる。
こうして、選手が来る時期になると私自身も「今年もこういう時期か~今年のネタを考えねば・・・」などと楽しいプレッシャーがかかる(笑)
小林選手などが「何かありませんかね~」などと期待してくれるからだ。
というわけで、今年のテーマは「腕を振るの解釈」で私なりの答えは前から出ていたのだが、それを言葉ではなく、誤差なく肉体的感覚に伝える方法を考えていたら、ちょうど体育の授業でサッカーをしている時に閃いたものがあった。
とりあえず、学生で試したところ劇的な効果があり、さらにはイップスのN井君にまで効果があったので今度はこの日やってきた相原投手にも試してみた。
私の伝えたい感覚は、出来ている人にとっては当たり前に出来ているという話である。
連続写真や動画では分からない部分です。
といってメンタルの話というわけでもない。
投球の中で重要なタイミングの話です。
腕を振りたければ腕が何かしてはいけません。
「腕が振れているように見えることが大切で、自分の腕が自ら動こうとしてはかえって振れません」
ゴルフクラブ自体は生き物ではないのと同じです。
釣り竿も同じです。
腕を「モノ化」するといいましょうか・・・
そんな事を説明しながら指導した。
本人は不思議そうに説明を聞いていたが論より証拠、
「自分の腕からボールが今までにない勢いでしかもコントロール良く放たれる様子」に目を丸くしておりました(笑)
これであとは秋山捕手の配球しだいになりました(笑)
がしかし・・・
大体、私のこれまでの指導パターンとしては、これで試合に気持ち良くのぞんだらストレートの一本調子になって試合では打たれる・・・ということが多い(泣)
頑張ってほしいと思います。