1月16日ベイスターズの安斎投手の指導をする。
これまで指導した小林選手や村中選手はすでに一軍でもトップクラスで活躍しているが、安斎投手に関しては3年間でいまだに一軍経験が無い!
はっきり言って非常に危険な状態である(汗)
3年間で1軍経験が無いということは、簡単に言えば「やってることを間違えている」とも言える。
そこら辺のことが私自身もようやく掴めてきたところである。
勘違いして欲しくないのは、プロの人が野球を知らないとかいうワケではない(そんな人いないか) ただ、選手がどの段階で止まっているのか分からずに結果を要求している事が多い。
大体、選手の方も「強気なプロ向きの性格」などという言葉もある通り、勝負の世界なだけにハッタリも必要である。「今、私はここで止まっております」などと申告できるわけもないという事情もある。
また、そもそも「自分は一体、どこで止まっているのやら?」という状態であったりする。
ところで、最近、私が読んだ坐禅の本の中で「下手と駄目は違う」という話があり、これが私の中で指導の方針を決定づけ、非常にスムーズになった。
皆さんは「下手」と「駄目」はどっちがまだマシだと思いますか?
その本の解釈によれば 「下手」は「目標は合っているがまだ未熟な状態」まぁつまり「ヘタ」です。
一方、「駄目」は「目標がそもそも合っていない」という状態なんですね。
「ヘタは楽しいんです」なぜなら、「上手い」に向かっているというこの先の広がりを感じながらやっているからです。
あそこに辿りつきたい!というのは見えているのです。
じゃあ「駄目」はどうでしょう?
目標設定が間違えているからどんなに頑張ってもゴールに行かないんです。
もっというと、つまらないんです。
例えば、コントロールが悪い投手が、とりあえずその場しのぎに小手先で調節しようとしているような場合、やってる本人も「可能性の広がり」を感じないのでやっていてツマラナイんですね。
反復練習なんてのも「今、ある技術に対してヘタだから習得するぞ~!」とやっている時は楽しいですが、「反復回数」を目的にしたらそりゃあツマラナイですよね。
そんな感じです。
これを読んで私は「なるほど!何も指導したその場で完成させることを目的とする」のではなく、選手に「こんなことができるようになったらヨクナイ?」という方向性を示し、選手が「これを掴めたら俺の可能性は広がりそうだ!」というキッカケさえ掴ませられたらいいんじゃないのか?
もっと言えば「この技術に関して俺はまだヘタクソだ!」と思わせられれば選手は逆に楽しくなるのではないか?
そんな風に考えました。
・・・でヘタと思えるには「上手いを知る」って絶対条件ですよね。
つまり目標値みたいなものでしょうか・・・
投球の話
「躍動感のあるフォームで投げたら気持ちいいと思わない?」ってなことが根本にあります。
結果を恐れているうちに段々と固まってきちゃうものなんですね。
これは打者も一緒です。
順序立てて説明してます。
投げの初歩の初歩の話だと思いますが、最初の一歩で狂ったらどれだけ頑張っても絶望感の中で続けることになります。
「取りあえずやらせてみて」というのは運動の一つのセオリーですが、どこかで根本を見つめなおす必要がありそうです。
そうでないと、結果が求められプレッシャーがかかる時に、一番動かしてはいけないところをいじってしまう・・・そしてスランプになる。
今回の指導で完成は全くしていません。
しかし、本人は目が輝きました。方向性が見え、何を考えるかが定まったからです。
ちなみに前回指導した村中投手「投げるのが楽しくて仕方ないです、いろいろと試してます、これどうですかね?」とムービーを送ってきたりします(笑)
テーマが決まったら後はどれだけ「ガキの遊びみたいに時間を忘れてのめり込めるか?」その子どもみたいな気持がプロ気質なのではないか?そんな風に思う今日この頃です。
考えたらプロ野球選手って小学生でやってたことを、いい歳してまだやってる人ですからね(笑)
写真はタメだの膝だの言ってたけど『目線の置き方』だけ気にしとけば全部整うじゃないか?なんてなことを提案している画です。
さぁ、1軍デビューなるか! ・・・とはいえ、3年もいたらコーチ陣も「こいつはこんなもんだろ」って先入観がありますからラクな道のりではないのが実際のところです。