先日、うめだの百貨店にいく。
私にとって百貨店に行くというのは一つのトレーニングである。
「いい人に見られたい」
「違いの分かる男に見られたい」
「安易に流行を追いかけているような男に見られたくない、といってダサいと言われたくない」
「ケチだと思われたくない」
「人見知りがばれたくない」
「大物に見られたい」
などなどの大変に
情けない虚栄心の塊が服を着ているような私にとって
うめだの百貨店を歩くというのは上記に列挙した
「諸々の弱みがバレるのではないか?」
という自分の中で作り上げた不安感との戦いなのである。
なぜ不安かといえば「よくわからない」からである。
そもそも、
なんでそんなもんを『トレーニング』と位置付けているか?
といいますと、
以前NHKでやっていた「人見知りの克服法」や、
「孤独を抜け出るには?」という特集で
「街に出て、人の顔を見ることから始めるといい」ということをやっていたからである。
http://hidenori-t.hatenablog.jp/entry/2018/04/13/202945
だからまず街に出歩くこと、そして人を見るトレーニングだ!
もうお分かりだと思うが、私はけっこう影響されやすいのである。
電車そして街中、そして百貨店
それにしても、
なぜうめだの百貨店を歩いている人は
あんなに堂々としているのであろうか・・・
みな、輝いている(ように見える)
ナカナカいい服装をしている、
化粧もバッチリだ。
おばさんたちも資産家みたいな顔してる(ように見える)
店員とも堂々とやり取りしている(ように見える)
それに引き替えわたしゃ・・・
エスカレーターの両サイドはなぜ鏡なのであろうか?
あれってやっぱりファッション意識を刺激するためなのかな?
周りの人はシュッとしているが、
私のスタイルは釣りにいってきた帰り道みたいじゃないか・・・
生臭くないだけの状況である。
う~ん、ダメだこりゃ。
などという気持ちが出てくる。
私の場合、情けないのであるが
「世界中の誰もかも偉いやつに思えてきて」
という状態なのである。
だから人のハッタリもホントなのか嘘なのかよくわからん。
そんな私が百貨店をフラフラしていると、
ま~店員さんがよく声をかけてくる。
「何をお探しですか?」
まぁ常套句である。
もちろん、自分の知識に自信がありゃ
「これを探してます」と言えるが、
そもそも
「何を探しているのがよく分っていない、そもそも探しているかも怪しい」
状態でフラついているのだから。
あと、「こんなのを~」となまじっか言ったら買わなきゃいけないんじゃないか?
などとプレッシャーを感じてしまう。
ということで、本来、
じっくり見てみたかった店は避けてしまい、
疲れ果て、なじみのあるスポーツメーカーあたりで安心するか、
本屋にいって「あ~落ち着く」となって適当に2~3冊買ってしまい、
帰宅後に「積読(つんどく)」になってしまうというオチが多々ある。
前フリが長くなったが、今回のトレーニングは事前に本屋でチョイワル親父のファッション誌を何冊か読んでから突撃。
さすがにその雑誌を手に持って行く度胸は無かったが、あとになってみると逆にそのほうが潔かったかとも思った(笑)
雑誌に載っている服は
「ホントにこんな値段なのかよ!Oが一個多くない?」
などと思うようなものばかりで
「こんな服を平気で買えるようじゃなきゃいけないのかホントは?」
などと悲しくなってくる。
一応、そのブランドの店にも入ったが値段は服の中のようで、
店員に「着てみてください」などと言われたが、
値札みて動揺しそうだからやめる。
ところで皆さん、値段っていつ見るの?
見たときのリアクションって取っていいの?いけないの?
「うわっ!たけえ!」とか言っていいのかしら恥ずかしいのかしら?
う~ん、そうやってジタバタしているのが一番恥ずかしいというのが答えなのかな(汗)
最近、百貨店では店の入り口やらエスカレーターの出口のスペースあたりに、
コーディネートした服を展示して値段も明記しているスタイルをとっているがあれはさすがだと思う。
私にとってもありがたい。
回転すしがなぜウケるかといえば、
店に入る前から値段が明確だからだと思う。
時価の寿司屋とか難しいですもんね。
結局、この日はズボンとスニーカーを買った(上の写真)
このブランドのスニーカーは、
このシリーズを以前に買ったことがあって気に入って履きつぶした。
やはり分っているものを買うときは自信が持てる(笑)
ただ、またも新しいものを取り入れることはできなかったともいえる。
その夜、ヒラシタさん(以下ヒラ師)呼び出す。
急な呼び出しにも関わらず、都会のど真ん中にファミリーカーで現れたヒラ師。
相変わらずちゃんと恰幅がいい。
そして、私は先ほどの百貨店で20万円もするジャンパーのブランドの話をしたら、
とても冷静で哀れむような視線で私を見ながらこう言った。
「あ~そのブランドは先生が買わなくてよかったですよ、
あれは若いニイチャンが憧れて背伸びして無理して買ってる感が満載になるやつなんで・・・」
・・・とても冷静な分析であった。
ちなみにヒラ師はユニクロのジャンパーを愛用している。
「これが機能的にいいんですよ」
・・・と無駄な虚勢を張ることもなく彼はいった。
こんな眼差しでした↓↓↓
そして、晩飯代は
「年末の競輪で先生と違って獲ったんでここは僕が払います」
とご馳走になってしまった。
嬉しいやら情けないやら
この日のトレーニングの成果
ズボンを買った時、
ベルトも勧められて巻いてみたもののしっくり来なかったので
「今日はベルトはいいです」と断ることができたこと。
一歩前進!