研究室にたまにフラッとやってくる卒業生がいて結構おもしろい話をしてくれる。
その卒業生は、プロ選手やら陸上選手やらの個人トレーナーをやっていて
学生時代から個性的なキャラクターであまりつるんだりすることなく
目標に向けてやっていた学生であった。
話をすると、ちゃんと自分の意見を言える・・・
というか意見を持っている学生でありました。
けっこう自立した考えを持っているから、
教員からは嫌われるタイプの学生であったが、
部外者というかトレーナー学科の担当ではない私からすると気楽に楽しい話ができる。
そんなキャラクターが選手には喜ばれるようで、関わっている選手の名前を聞くとそりゃも~私が学生なら興奮するレベルの選手たちでありました。
なによりフットワークが軽い。
呼ばれりゃホイホイと海外にも帯同している。
「そんなやり方な~」
などと眉をひそめるように思っていたこともあったが、
やっぱり行動が第一ということで、
自分のやりたいことに対して真直ぐに行動しているのはつくづく大したもんだと思う。
前フリが長くなってしまったが、
彼とのトレーニング理論の話なんぞをするとなかなか面白い。
一流選手の説明をちゃんと吸収して仕事に活かしてやろうという野心があって面白い。
やっぱりそうでなくっちゃ楽しくない。
そんな彼との会話の中で
「最近はどんなトレーニングが流行ってんの?」
なんてことを聞いていたら面白い話というか、
「言われてみればもっともだ」
という合点のいく話があった。
それは「柔軟性について」である。
「自動的と他動的を近づける」というテーマ
『可動域』というか・・・
例えば、柔軟体操などで「自分の力」というか意志で動かせる範囲がありますね。
能動的というかアクティブというか。それを自らを動かすという意味で「自動的」とよぶことにします。
もういっぽうで、パートナーなりに
「押してもらう・伸ばしてもらう」
というように受け身的(パッシブ)にすると、
自分で伸ばすより大きく伸びたりしますよね。
これを他動的と呼ぶことにします。
さて、
『怪我の予防には柔軟性が大事』
というのはなんとなく疑いのないように思いますが・・・・
受け身(他動)で伸ばしてもらって初めてできる動きの範囲というのは、
言い方を変えると
「自分では動きをコントロール(制御)できない部分」
と言えるわけです。
これ、ピッチング動作を考えている私からしたら
「あ~そうか~!そりゃそうだ」という話で
他動とは
なにも他人から押してもらうだけでなく、動きの中で発生します。
例えば、よくいう「肩の早い開き」はなぜ悪いか?
といえば、テークバックで肘が上がる前に肩が回れば、
結果的に腕は受け身的に引き伸ばされます。
その時のボールのコントロールなんてのは当然に利きません。
もちろん力の加減も危険です。
実際に故障する投げ方というのはそういうことです。
おそらく素振り(シャドーピッチング)では自分の意志でできる範囲で動かしていると思いますが、試合なり実践になればより力が入り受動的に伸ばされるのだと思います。
動きの中で自分のコントロールできない範囲に関節が広がってしまうと大変危険だというのはイメージできます。
伝わりますかね?(汗)
いや、まあそのこんな話で盛り上がって
「ちょっと顔出した」というだけなのに2時間くらい話し込んでしまいました。
この理屈からいえば、身体が柔らかいのにケガをする。
逆に
カラダが硬いのにケガをしないというのも理屈がわかる気がします。
ようは、自分でコントロールできる(動かせる)柔軟性が大事なのであって、
「自分の意志に反して広がってしまった可動範囲なんて危険極まりない」
ともいえるのではないか?
そう思うと、外人の投げ方ってなんだか「固いな~」なんて思いません?
あれって言い方かえると
「自分の可動範囲を自覚したフォーム」ともいえるのかもしれない。
日本の投手は「しなやかさ」を追求するところがあって、
確かに美しいのだけども危険もあるのかなと。
あとはケガをしないのが一流というのは、
「日ごろのケアをちゃんとしている」
なんてのがあるかもしれないが、
「ちゃんと自分の動きを把握している」
ということが大きいのかな?
なんて思いました。
う~ん、トレーニングの話って、
いろいろな人の工夫の話しだからホントに面白い。
すいません。
読者のことを考えずにずらずらと書いてしまいました。
これからは学生となるべくこういう話をすることにしよう。
ただ、あんまり興味のあるのがいないんだよな(汗)
さてはあいつも、話し相手がいなくて来たな(笑)