kokokaramakuruの日記

野球 金魚 競輪少々 思いついたことをビビりながら書くブログ

カッコ良かった選手

先日、引退を発表した競輪界のカリスマ村上義弘選手(京都 73期)

 

思えば、ワタシが競輪を始めたのが2001年

 

あれから20年 それはこの選手との日々だったようなものであります。

 

いや、個人的に知り合いなわけでもなんでもないのですけども。

 

もっというと、車券としては全く相性が悪く、買えば来ず、買わねば来るという困った選手でありました。

 

それでも、どっちになってもまったく裏切られたような気持ちにはならないものでした。

 

「村上ならこういうレースをやるであろう」

という客の期待を全く裏切らない走りだったからです。

 

来ないと思って買わなかったのに来た時というのは

ワタシが「さすがにこの相手では厳しいんじゃなかろうか」と判断したときであり、ワタシの予想を覆す走りで勝ったということで、反対に買ったけど来なかった時というのは、「なにも無理しないで勝ちに行けばいいのに」というようなレースでもラインを大事にして先行して自分は沈んだ時でありました。

 

「なにもしないで終了」というレースは絶対にしない選手でありました。

競輪も選手からしてみれば生活がかかった商売ですから、相手によって戦い方を変えます。人気があることは賞金にはなりません。

 

強い選手に対してムリして戦って潰れてしまうと、大きく着順を落としてしまうので、他人のチカラを計算して自分の着順をよくするようにするのも戦法のうちだったりします。「漁夫の利」ってやつです。

 

もちろん、それは目の肥えた客ならよ~くわかっておりますので、「あ~この選手はそういう発想なわけね」などと判断します。もちろん客もお金がかかってますから、要領よくだろうがなんだろうが、勝つ選手を予想するのが自分のためであります。

 

そんな中で、村上選手の走りにはお金とはまた別に男のロマンがありました。

強い相手に対して、誰かに戦わせてとかではなく「自ら戦いに行く」戦法をとっていました。そんでもってだれかの漁夫の利に利用されてしまうこともしょっちゅうでありました。

 

「金(着順)じゃね~んだよ、生き様なんだよ」という走りは見ていて、

「そうか、アナタってそういう生き方なのね、よし俺も頑張るぞ」などとシンパシーを感じたりするわけです。

 

 

競輪を説明するときにラインという概念を理解できるか?ということと、そのレースのストーリーを理解することが重要なのですけども、村上選手がいるレースはそのストーリーが非常にわかり易いものでした。

 

そして、「若い時はガンガン逃げろ!(つまりキツイ戦法)それがあとで大きく返ってくる」というのを見事に体現していた選手でした。

 

村上選手の人気はとても高く、ワタシでも生で見ると興奮したものでありました。

 

なんで俺ばっかりがキツイ思いをしなきゃいけないんだ?

 

などと、愚痴りたくなるような時は「村上の先行」を思い出して頑張っていたこともありました。

 

たまに、「あ~競輪をやってなかったらもうちょっと貯金もあったろうに・・・」

などと思うこともあるのですが、

 

村上選手を知れたことは「あ~競輪やっててよかったな~」と思える大きな言い訳になりました(笑)

 

以下は、大けがからにの復帰戦で「さすがの村上でも今回はね~だろ」と思っていたけど、ナント単騎であの深谷を捲った2012年の京王閣グランプリ

雨の中で現地観戦しました(笑)

 

www.youtube.com

いま見ても鳥肌が立つ。

 

これが10年前、ワタシは当然惨敗でありましたが、一緒に行ったニイさんは村上からの総流しで当てました(2車複)。素直にファンであることは大事だという教訓になりました。