『自分では気づかないココロの盲点』 池谷裕二 著
いきなりの自白をする。
ワタシ
例えば、高齢者の運動教室をした後
例えば、野球の指導がうまくいった後
例えば、講演などで『とてもいい話でした』とウケた後
例えば、困っている学生の相談などに乗って寄り添ったあと
とにかく「いい仕事をしたな~」と思えた後
ムショウに賭け事をしたくなってしまう。
しかも、それがまた見事に負ける。そして絶望する。
「せっかくいい仕事をしてイイ気分だったのに、なぜそのままで1日を終えることができないのだろうか」
・・・と、割と深刻に悩んでいた。
・・・と前置きをしたうえで
皆さんは『モラル正当化効果』という言葉をご存じでしょうか?
ワタシは初めて知りました。
写真の本の作者は池谷さんといって、脳科学が好きな人なら超有名人。
ワタシもこの方の本は多く購入していて、そこからのネタを授業や話のネタに多用させてもらっている。
「脳のクセ」に関する著作が多く、とても面白い。
この写真の本は数々のデータで立証されている脳のクセを羅列してくれている。
そんな中でこの『モラル正当化効果』に関する説明があった。
要するに
「脳は自分をモラルのあるタイプの人間だと自認すると、それを埋め合わせするかのような反モラル的行動を正当化する」のだという。
つまり、良い行動をとった後は
「次は少しくらいよいだろう」と
モラルに欠ける行動をとる確率が高まるのだという。
例えば、エコ商品を買った後は利己的に振る舞いがち
例えば、カロリーゼロの飲み物に合わせて甘いケーキを注文しがち
ちなみにこの現象はアメリカの企業で黒人女性を採用した後に、非黒人系の男性を採用する傾向があることから発見されたという。
う~ん、思い当たるフシしかない。
誰から見てもあからさまにイイことをやるってのは、自分にとって逆に良くないのかもしれない。
その反動がヒドイ。
一見、利己的な人はそのままのペースで生活しているのではないだろうか。
だから、案外いらない散財がないのではないだろうか。
だから金が貯まるんじゃないのと。
「いいことをする(いう時)時は悪いことをするくらいの気持ちでちょうどよい」
などという教えがどこかであったような気がするが、これまでの私の解釈では、
「自分が正義だと思って人と接すると攻撃的になったりトラブルの元になる」ということだと思っていたがどうやら
「自分でいいことをしていると思っていると、その反動で悪いことをしたくなるから、それに壊されるぞ」という意味なのかと自分に向けての解釈に置き換えることにする。
酒好きの人は、『良いことをした後にお酒を多く飲んでしまいがち』
逆にヤケ酒なんてのも似たようなものかもしれませんがどうなんでしょ。
あ~、無意識にイイことできるようでありたい。
「自然体」って難しいな~