kokokaramakuruの日記

野球 金魚 競輪少々 思いついたことをビビりながら書くブログ

投げ方を指導するということ

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11月10日(火)のこと私のやっている授業の終了後に野球大好きな学生が訪ねてきた。


「コントロールの悪かった先輩が先生に教えてもらったら凄い良かった!と言ってこの前の試合も良くなってたんですけど、一体何をやったんですか?」と言って来た!


「この休み時間で語れる内容ではないんだけど、一言で言えばタイミングを変えたんだよ」と答えた! 私もだんだんと、商売人のような興味をそそる話し方をするようになったものだ、この答では何もわからない。(ここで「詳しくは会員登録が必要です」とやったら完璧に商売だな(笑)


その指導をしたのは、先週の金曜日。本学の2年のTくんが、私の部屋に現れた。「先生、色々とやっているんですがコントロールが定まりません。その上、股関節もなんだか変な感じなんです」となにやら思いつめた表情で現れた。


彼は、本学の軟式野球部の学生で投手をやっている。球は速いがコントロールが悪く、四死球の連発で試合を壊してしまうことも珍しくないという。こういうのは、マジメな人ほど精神的にキツイ!私も小学生のころに同じ状況だったから痛いほどわかる。野球はコントロールの悪い投手にしてみれば残酷なスポーツなのだ!何せ、ボール連発している時の、野手の冷たい視線、打者のバカにした視線、観客のため息たるや、マウンドで切腹したくなるくらいだ!それでも一人で「シラ~ッとした場の空気」の重さを感じながら投げ続けなければならない。「僕のことは放っておいて、そっちでやって下さい」という訳にはいかないのだ。


「コントロールの悪い投手に悪い人はいない」これは私の25年の野球人生での実感だ!(コントロールが良くてよい人はいますんで念のため)つまり、「他人の痛み」を分かる人が多い!他人のウラはかけない!自分のことで精いっぱい!謙虚である!自分が悪いと思ってる!研究熱心!チームに迷惑かけてる分、せめて雑用はしっかりやりますという気持ちがある!ツライ目に合っても続けるくらい野球が大好き!


 と「いい人」の条件をあげればいくらでも出てくるが、悲しいかなこれは「活躍する投手」になりにくい・・・ がしかし、こういういい人」が野球で活躍するようでなければ「野球界に明日は無い!」というのが私の持論だ!「あいつは性格が悪いから勝てるんだ!」なんて理屈がまかり通っているようなスポーツはダメに決まってる。今の野球人気の陰りにはこうした要因があると私は勝手にデカイ視点で心配している。


 「コントロール」は勝てる投手になるためには絶対条件である!これは間違いない!コントロールを良くするためにはそれなりの理屈がある。


コントロールの悪い投手は、よく「指先の神経が鈍い」とか「腕の振りが悪い」と腕を中心にした指摘をされることが多い!しかも身体的欠陥のような表現がまかり通っている。さらに極端な表現では、「あいつは同じ失敗を繰り返すダメな奴」とか「努力しないダメ人間」など「人格否定」に発展してしまうこともしばしばである。


私は基本的に字がちゃんと書ける人やお箸で食事をしている人には十分コントロールが良いハズな身体的資質はあると考えている。 ではなぜコントロールが悪いか?


「上手い人は難しいことを簡単にしてからやっている」


こんな事を考えてみる・・・走りながらマトモな字を書けますか?エスカレーターーで駆け下りながらご飯が食べられますか? そんな視点で指導している。


特に投手としての好素材と言われる、高身長で手足が長い選手はそこやらずして結果を求めたら地獄だ! 今度、指導を受けにくる横浜新人A投手(身長190センチ)にはそこを仕込んでおかないとホントに苦労を知ってる「いい人」になってしまうので、現在、教科書を作っているところだ! 私はこれまで、「いい人」なんだけどコントロールが悪くて悲しい思いをしている選手と接することが多かった。「いい人」なだけに「なんとかしてやりたい」と力んで指導し、試行錯誤してきた。


「いい人」は周囲が協力してくれる。


だから強く(上手く)なれる!って流れを作りたい!