kokokaramakuruの日記

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カウンセリングは難しい

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1月18日 スポーツプログラマー養成講習会を受けている。


今日の内容は「スポーツ相談の実際」。スポーツの楽しさを教える指導者というこの資格の中でなぜこの科目があるかといえば、「単に熱心にスポーツの技能を指導するだけでなく人らしい指導者が大切なのではないか?」という狙いがあるそうだ。


講義は提案者の横浜国立大の落合優教授(写真左)がしてくれた。この先生は資格創設の時のスタッフだったそうで資格の経緯など分かりやすく説明してくれた。


どんな資格でもそうだと思うが、創設する時の理念というのは聞いていて非常に意義深い。しかし、「その資格で食えるのか?」とか言い出すと話がトーンダウンしてしまうのがなんだか悲しい。


 さて、授業内容は聞いていて非常に考えさせられた。


題名のとおりスポーツ相談についてなのだが、十数年前のこと、スポーツカウンセリングの必要性が言われ、スポーツに力を入れる大学の中で選手のお悩み相談を聞き入れる場所として「スポーツカウンセリングルーム」を設置する大学が増えた時期があったという。


大学アスリートは監督・コーチ・先輩後輩などの人間関係や将来の不安、競技へのプレッシャー、競技力の停滞など悩みは多い。そんな中でなんでも相談できる「カウンセリングルーム」の設置は大いに歓迎されるだろうと思われていた。


・・・が、


しばらく経つと監督・コーチから「悩みがあってもあそこ(カウンセリングルーム)には行くな!」という指令が出るほどの状態になってしまい部屋は立派だが閑古鳥が鳴いている状態になってしまったという。


なぜか?


カウンセリングの基本は傾聴である。


とにかく来談者(相談に来た人)の話を相談者(受ける人)は否定せずに、時に頷きながら、時にオウム返ししながらと、受け入れることになっている。


それを大学の学生スポーツ選手相手にやったらどうなったか?


「こんな部活やめて~な~」という思いの選手の話を肯定的に聞いて頷いているうちにカウンセラーに部活を辞めたほうがいいって言われました」って話にすり替わり、


監督からしてみたら「あそこに相談に行くと堂々と『辞める』って言ってくるようになる」という事になって、結果「あそこには行くな」ってことになるそうだ。


だから、「『辞める』ってのは本当に最後の最後で、いかにスポーツに前向きに続けることができるように持っていくかが理想なんですがこれがナカナカ難しいんですよね」ということだった。


確かに・・これには考えさせられました。


中立な立場でカウンセリングする以上、「辞める」も「辞めない」も先に結論ありきでカウンセリングしたらそれも意味が違うだろうし、かといって相談に来た人は「辞めたい」が根底にある以上、それを肯定して傾聴していったら「辞める」の結論は限りなく確率が高いだろうし・・


そんじゃあカウンセリングルームの意味ってなんだ?


思えば、私がこれまで「辞める」って言ってきた選手に「辞めないほうがいいぞ」と説得して「組長に言われたんで思い直して頑張れました!」なんて経験は残念ながら無い!これまで相当数説得してるが見事に無い!


説得安打率0割だ・・・


落合先生は言う、「カウンセリングはどっかのかしこまった部屋でやるものだけじゃないんですよ。現場での指導者やトレーナーとの何気ない会話が実は日頃を通した信頼からくるスポーツ相談でありカウンセリングなんですよ


そして私に効いた一言


「自分の状態が安定してない時のスポーツ指導は、それを自覚して特に気をつけたほうがいいですよ」


 まさに・・・