2月24日 「宮崎から帰ってまいりました」と地鶏焼き鳥をお土産に現れたのは4年生のF田くん。彼はこの1週間、社会人野球チームのキャンプにトレーナーとして参加させてもらっていた。
真黒に日焼けしたその顔は充実感に満ち溢れていた。
彼のニッコリ笑顔に私は弱い。
この話は、本学の卒業生であるトヨタ自動車トレーナーの草場さんからいただいた。
草場さんから「後輩が自分と同じトレーナーになりたいと本気で思っているなら、協力しますんで」と言っていただきF田くんにこの体験の機会を与えてもらった。 本当にありがたい。
草場さんからはご丁寧に、「国家試験前なんですが、こういう機会に参加するのは自分の経験からもとてもいい経験になると思いますんで」と事前に連絡までいただいてしまった。
私は「そりゃそうです!本当にありがとうございます」と即答! こんな事を言っていると本学の他の先生方に「オイオイ、うちの大学がどういうところだかわかってんのか?」と心配されそうだが、さすがの私も並の学生にはそんなことはさせない。
彼の学業成績は本学でもトップ!いわゆる偏差値で大学を選ぶならうちには来ていない。高校の先生からも「ホントにそこでいいのか?」と何度も確認されたほどだ!
ではなぜ来たか?プロのトレーナーになるためである!
学費・生活費も自分のバイトで出している。顔は可愛いが「気合」が違う。
私はこういう本質を追究してくる学生にはそれようの指導をしないとマズイと思ってる。
彼の最初の印象は「頭はいいんだろうけど鼻につく奴だな~」だった。 プロ野球のトレーナーを父にもつ彼は、付けるべき技術は何なのかよく知っており、治療家の先生に弟子入りして積極的に学んでいた。
しかし、私は「これ野球界じゃ嫌がられる感じだな・・・」という不安があった。
何かこう理屈っぽいというか、忙しそうに見せるし、他人の失敗を許せないという面があったり、とりあえず野球界で超重要な「理不尽に耐えられない」そんな心配を持っていた。
私は彼に野球界で頑張ってほしい(私の選手を預ける自慢のトレーナーになって欲しい)ので、そりゃもう理不尽な事を言いまくった。
彼とのやり取りで私が学んだ事・・
「理不尽な事を言うのって結構エネルギーがいる」
理不尽は言っている方にはちゃんと理屈がある。受け取る側が理解(解釈)しきれない時に「そんなの理不尽だ!」という感情が発生する。相手がわかる理屈だけ言っていれば良いケースはその方が平和だが、必要とされるラインがある場合には「理不尽だと思われるだろうな~いやだな・・トホホ・・・」と思いながらもぶつからざるをえない。
彼とのやり取りを見ていた周囲の先生からはよく、「まだ学生なんだからしょうがないよ」とか「本人が壁にぶつかってから気づけばいいんだよ」などと諭された。
しかし、私は思う「怒ってもらいやすい立場である学生のうちに『あいつに言ってもムダ』なんて言われちゃう奴が社会に出てから怒ってくれるような親切な人に出会えるのであろうか?」 自分が可愛がった学生をそんなにのんびり見てられるほど私は強くない。
そんな思いから彼には接した。よくぶつかった。
幸い、彼は踏ん張ってくれた。
目的意識が彼を支えたと思う。
彼は言う
「先生に理不尽なことを言ってもらったおかげでホントに助かりました」
「お~そうか!それは良かった!わかってもらえて・・・・ってオイ!だから俺は理不尽な事を言おうとして言ってるわけじゃないんだっての(汗)」
ブログをご覧の社会人スポーツ関係者の方へ・・・
今時少ない、理不尽に耐えれるトレーナーをご用命の方・・・ご一報ください(笑)