『いいとこ見せろよ!』選手の力を信じ、サインを出す監督!
そのサインを信じ、見つめる選手、そしてベンチの選手たち! 同級生の活躍を応援しようと集まった友人!卒業生!学校関係者!
同じ野球観戦でも、プロ野球のそれとはまったく違う世界。
なんか気持ちいい。忘れていたものを思い出す。
7月21日 この日、住之江公園野球場に高校野球大阪府大会を観戦しに行った。
それは、高津高校を応援するためである。 神奈川県出身の私がなぜこの高校を応援するかといえば、監督の犬山先生が私の東海大学教員時代の教え子だからである。
犬山先生は、大阪の名門近大付属高校の出身で内野手として活躍し、東海大学においても活躍するほどの名プレーヤーであった。
学生時代の彼は、私のソフトボールの授業において、率先して初心者の指導や面倒を見てくれるありがたい存在であった。
将来は教員志望だという彼とは色々な話をした。
彼の輝かしい野球のキャリアからすれば通常は「強いチームで甲子園に出場するような監督になりたい!」となるものであるのだが、彼の考えは「公立高校を強くできるような指導者になりたい」というものであった。
犬山先生の勤めている高津高校は、大阪府でも有数の超進学校で『勉強第一!大学進学最優先』という校風だ。校則は自由で私服も可能!ただし下駄は禁止らしい(足音がうるさくて勉強の邪魔になるから)部活の時間制限も厳しく、限られた時間の中で日々練習しているということであった。
実は私は以前この高校に学生を引き連れて指導に行ったことがあった。超進学校であることは聞いており、おそらく受験マシンみたいに冷めた感じの子ばかりでではないだろうか・・・?
ロクな受験を経験していない私は勝手な妄想を膨らませていた・・・
私の不安は全くの的外れであった・・・・
ナント!
『野球なんかやってないで勉強しろ!』 という価値観の中で野球をやっている選手たちは、
『それでも俺たちは野球をやりたいんだ!』という超野球好きの少年の集まりであった!
分かったことは・・・ 『やらされてやってる奴なんて一人もいないんだ!』という事であった。
私の2時間以上にわたる映像を交えてのトレーニングや野球の話に対して食い入るようにメモを取り、質問も本当に素直な気持ちいい質問をしてくれた。 本当に指導者冥利につきる時間であった。なまじっか上手かったりして機嫌取りしながらの指導より力が無くたってこういう選手を指導してる方がよっぽどやりがいがある。
そして、実技指導を始める際、主将から言われた・・・
『今からいつもやってる事をやってみますんで、おかしいところがあったら遠慮なく言ってください!お願いします!』だって・・・
こんなセリフ・・大人だってナカナカ言えない・・・!
『間違いを指摘される恥ずかしさ』よりも
『間違いをそのまま気付かずにやっていることが許せない』ってことなんだろうな・・・
本質を追求する姿勢ってこういうことだよな・・・ 勉強になりました・・・
さて・・・
試合は5-8で負けてしまいました。
しかし、最終回にも諦めないで2点取り返すなど、本当に粘り強い戦いでした。
記録的な暑さのこの日、日陰を選んで観戦していた私の方がクラクラしているような状況の中です。
観戦している私の方が2回で1-7になった時点で『こりゃコールド負けか」と諦めちゃったくらいでした。
犬山先生が、すっげ~いい雰囲気で羨ましく思いました。
「俺たちは野球が好きなんだ!」って気持ちがビンビン伝わってくるいい時間でした。