8月25日
ミートは私をおいて海水浴に行ってしまった・・・・
そんなミートがビーチバレーで羽を伸ばしているであろうちょうどその頃・・・
私は関西医療大学のグラウンドで丸坊主の高校生を相手に投球フォーム指導をしていた。
この高校生は、本学のトレーナーコース3年のK崎くんがトレーナーをしている大阪府の某強豪私学の主力投手(以下O君)であった。
この時期の高校野球は新チームの大会間近であり、個人でチームを抜け出して指導を受けにくることは普通はあり得ない。
しかし、OBでもあり、日頃チームのために献身的に情熱を注いでいるK崎くんが、素質はありマジメなのだが故障が多いO君をなんとかしたいと監督を説得し、大学まで連れてきた。
「お前がそこまで言うなら」と言われる日常を過ごしているK崎くんも立派だが、K崎くんに「なんとかしたい」と思わせるこのO君もナカナカ大したもんだと思う。
やっぱり真摯な姿勢が人を動かすのだと思う。
内容はまず本人との対話により「何をどの程度悩んでいるのか?」そんなところを確認した。
私はこれまで、指導を受けに来たからにはてっきり本人が、気合が入っているものだと思って熱血指導するものの、「何かイマイチ乗りが悪いな~?」と思っていたら、『実は無理やり連れてこられていた』ということを指導の最後に知り、トンデモナイ虚脱感に襲われる経験を何度もしている。
こうなるとお互い不幸である。
だから、今回も「実はK崎くんに無理やり連れて来させられたんじゃないの~?だったらゆっくりさせてあげることを優先しよう」などと思っていたのだが、O君は私に対して『この現状を何とかしたいんです!』という説明を彼の言葉で、不器用ながらも一生懸命説明してくれた!彼の気持ちは確認できた!
「K崎!イイ子を連れてきたな!イッチョやってみんべ~!」
という事で私は野球人のスイッチを入れた。
キャッチボールを見た瞬間、「こりゃ!いける!」私は確信した。
腕の振りや身体の使い方に問題はない。フォームに対する勘違いさえ修正できれば、結構いいピッチャーになるぞ・・・
指導の内容は、私の『勝ちに行く投手論』に始まり、『肘を挙げているように見える錯覚』の話、『キャッチャー投げと投手の投げの違い』(実は一緒で重心の移動の有無だけ?)なぜ、『良い投手はフィールディングも良いのか?』などなど、あれもこれもとやっている内に4時間の指導となったが成果も実感できる充実した指導となった。
それにしてもK崎君は、今日はかなり神経を使ったことだろう。
そっちの監督の予定と私の予定のすり合わせをしつつ、O君の送り迎え、そして用具の準備、セッティング、O君へ「組長を怒らせるなよ」という礼儀作法の仕込み・・・etc
私もこういうのよくやったからな・・・(笑)
この、『選手・監督・別の指導者』の狭間で調整する人の役割って本当に重要だからな~
だからドキドキしたろうな・・・
「果たして気分屋の組長はちゃんとやってくれるであろうか?」
「O君は喜んでくれる企画になるだろうか?」って・・・
K崎くんの気を使って動きまわる姿に後輩が可愛くて仕方ないという気持ちがヒシヒシと伝わってきました。
『これはK崎のメンツを潰すわけにはイカンな!後輩の前でだけはカッコつけたい気持ちはよ~く分かる!』 気分屋の私が一番燃える設定である!
『ヨッシャ!K崎!日ごろは私にボロカス言われてるが、後輩の前じゃカッコつけさせるからな!まかせなさい!』
こんなところで、私が冷めた事言ったら、K崎君のメンツは丸潰れだ!
男はメンツで生きている!(死語?)
そこをお互い尊重できる付き合いが気持ちイイ!
といいつつ・・・
内心「手に負えないの来たらどうしよ~」なんて思ってたんでホッとしました。