1月25日星林高校中西啓太が投球指導を受けにきた。
思えば、昨年夏、初戦でコールド負けを食らいどん底に突き落とされた。
敗戦から数日後・・・彼から
「ゼロからスタートの気持ちで大学でリベンジするために頑張りたいので個人指導してください」という依頼があった・・・
私の答え・・・
「そんなもんやるかい!ナンデ和歌山の県予選あたりの1回戦でコールド負け食らってるピッチャーを俺が面倒見なきゃいかんのよ!」
「ホントにゼロからスタートだって言うなら、明日から新チームの練習に全部参加してみな!1年生と同じグランド整備や雑用からだぞ!ゼロからなんだから!それを3カ月続けられたらまた考えるよ」
これは、厳しい注文であったと思う。
私自身、彼を可愛がるあまり甘やかしてしまい、いつも目をかけてもらえるのが当然であると錯覚させてしまった反省がある。(私の悪いクセです)
その辺りの感覚を入れ変えねば、この先でまた壁に当たった時に突き破ることは難しい。
しかし、「今から1年と同じ雑用なんてできるか!」と離れて行ってしまうかも・・・
そうなったら寂しいな・・・でも私が撒いた種だから・・・という気持ちでした。
しかし、彼の野球への思いは私の想像より上でした。
私の注文に対して「分かりました!やります!」と答えた彼は、新チームの裏方役としてほぼ毎日練習に参加し、高校生としての試合はもう無いのにも関わらず、現役生の見本となるような取り組み姿勢で練習にも参加していました。これはナカナカできることではありません。
後輩からの信頼も厚くなってました。チームの為に一肌も二肌も脱げるようになりました!
現役時代には「俺は大事にされるべき選手なんだ」というような態度が少々見える時があり、すぐに悩んだ顔を見せたり、調子が悪いだの、何処が痛いだのと表に出してしまうようなところがありました。こちらから見ると「精神的に弱いな~」と思わせる部分でした。
でも今はそういった甘えは消え、後輩から見られていることを意識した振舞いを見せています。後輩を意識することで視野が広がったようです。
逞しさすら出てきました。
個人的には、痛いところもあるようですが、それは私には一切見せません。
で、なぜ私が知ってるかというと、ウチの学生と連絡取り合って相談しているからです。こんな人間性の中西啓太君なので学生もフォローに燃えてます。
『こういう事やりたかったんだよな~』ってなもんです!
私だってここまで応えてくれたなら、言った以上やらなきゃいけません(笑)
気持ちよく一肌脱げる若者には周囲だって一肌脱ぎたくなるものです! というわけで現在、彼のバックアップ体制は、
『将来の』PT1名、体協AT(鍼灸師)2名、柔道整復師3名、それまでのつなぎとして、現役ATC(ホル師)となっております。
さらに、卒業生でこの春にATになる藤田トレーナー(鍼灸師)に、報〇学園の竹田トレーナー(鍼灸師)までが彼をバックアップしてます!
数えたら、彼一人を私含めて10人がかりで面倒みていることになります(笑)
エライ事になってますね(笑)
こんな選手はプロでもいません(笑)
写真は、肩の筋肉を使わずに肘を挙げる練習方法の一コマです。またホル師に出しすぎと怒られそうですが(笑)
私のマイブームな練習方法で、イップス解消にも有効な手応えがあります!
最近、プロや大学生だとすぐに成果が出たので、「俺はもう投手の指導を極めた!」などと危なく勘違いするところでした。
すぐに出来ずに色々と課題を出してくれる中西くんのおかげで私も天狗にならずに済んでます。(笑)
「なんでできね~んだコノヤロ~ (泣笑)」と思いながらの試行錯誤ですが、
指導者としては一番楽しいとこかもです(笑)