現在、競輪界ではトップ選手による最高峰のレース、全日本選手権(ダービー)が行われている・・・
このレベルになると、「自分は不利な状況です、ハイ負けました」と言うような素直な選手は皆無である。 執念が違います!
てことは予想する客としては・・・観てる分には楽しいですが・・・(泣)
さて、 一時の絶不調から若干の復調の気配はあるものの、競輪界の中で最下層のA級3班でもがいている吉木選手の指導をしました。
トレーニングは「何がしたいのか?」が分かればアイディアはホイホイ出てきます。
これまで、そもそも自転車を漕ぐとはどういうことなのか?
ということをあまり理解してなかったので、勝てないのは筋力が足りないとか、持久力が無いと思ってトレーニングを考えていました。
しかし、色々な書籍(けいりんマガジンやロードバイク雑誌)などで自転車の解説を読んでいるうちに理屈が段々わかってきました。
何で進むのか?それを理解すると面白くなってきます。例えば、人が階段を上る時には脚は下に力を入れます。そして地面からの反力の逃げ場として上方向へ身体が上がって行きます。脚は上に力を入れてるわけではないです。
で、自転車の場合はどうなるか・・? よく、坂道なんかでママチャリに乗っていると脚だけではきつくて体重も使おうと、立ちこぎする時がありますよね。その時に頭がピョコピョコ上下してしまう動きがありますよね。あれって、やってる本人は「こいでるな~俺」と思ってるかもしれませんが、ペダルから伝わってくる地面の反力に負けてしまって上に逃げてしまっているだけなんですね。
つまり、身体は上に向かって前のめりになっていますが、ペダルを踏み込めていないので自転車は進んでないんです。さらには、ペダルが下のところで体重がかかっているので、反対のペダルにとってはただの重りになってしまいマイナスになるんです。 立ちこぎした意味がない。
ペダルを回転させるということは、ここで力がかかってれば自転車は進むし、ここでかかってしまうとブレーキになるというのがあるんですね。ノーテンキに回してるわけじゃないんですね。
見直したのはペダルを踏み込む時の身体の位置です。 通常、人が前に進む為には後方に力を出しますが、自転車という道具を介して進むと言う事は前に力を入れて前に進むというなんだか変な感じなんです。 文字にするとゴチャゴチャしますが、エビが後にジャンプしていくようなイメージが近いかと思います。
で、あとは、回転に追いつくための神経系のトレーニングです。 踏みこむ力を上げることが重要だと思って高重量をやることに主眼を置いていましたが、もちろんそれはそれで重要なのですが、上がった回転に追いつくための神経系のトレーニングがをしておかないと、ぺダリングにムラができることが分かりました。
これが地味にきつくて私が選手だったらやりたくないトレーニングなんですが、人にやらせるのは得意とする私です(笑)
回転を速くするために・・・ここは、N谷さんに聞いた空手の選手がパンチのラッシュの回転を速くするには、押すとこより引くとこに意識を置くという話が参考になりました。
押す局面と引く局面の素早い切り替えを可能にする神経系のトレーニングをした後に自転車に乗りますと非常によくなりました。
これがヨシキ選手の最優先課題になりそうです。 バランスボールにストレッチポールを用いて仮想自転車状態を作りリズムぺダリングの練習をしました。
あまりにヘンテコリンな設定なので写真にするのも恥ずかしいのですが、ヨシキ選手からは「バランスボールをこんな使い方してるの先生だけですよ(笑)」とウケました。
とにかく、早く強くなってもらわねば・・・・
私がもたない・・・あと千里所長も(すでに手遅れという噂も・・・笑)
先日おこなわれた小倉ナイターでは『神奈川の弟子より勝ち上がるように』と命じたにも関わらず、両方で最後は同レベルの一番下のレースを走っていた。しかも向こうは1着・・・奴もさぞかしバカにしていることであろう。
クッソ~! しかし、私もようやく理屈が分かってきた。
ここから巻き返しだ!
ヨシキ選手も信頼してくれている!
コーチとして私もヨシキ選手を信じている!
彼ならやってくれるハズ!
しかし・・・
客になると信じきれない私です・・・