4月20日
前回のネタにも書いたように先週は「コミュ力」について、思いのほか白熱したので、今週はその具体的勉強ということで、「笑っていいとも増刊号」を題材に授業をしてみた。
というのは、先週流した番組の中で、「コミュ力の高い人ランキング」で学生にアンケートしたところトップは「タモリさん」だったからである。
爆笑問題の解説によればタモリさんは人を緊張させない雰囲気で、オーラを感じさせないのだという。そして引き受ける力や受け止める力が高いのだと言っていた。
それを見た学生さんの意見で「自分は発信するのは苦手なので、タモリさんのように相手の話を受け止める側に回りたい。」というような意見が多数あった。
私はこれを読んで、黙って聞いてるのが受け止めると勘違いしているように思えた・・・
とはいえ、実際にはどうなんだろうか・・・
ということで学生さんとともに「いいとも」のテレフォンショッキングのコーナーを分析してみることにした。
その結果・・・ タモリさんは実に多くの事をやっていることが判明した!
黙ってなんかいない!
視聴者に全く存在を感じさせないくらい絶妙な存在感でゲストを引き立てていて、あたかも自然に会話が盛り上がっているかのようにしている。
その存在感はたまに夏休みを取って代わりの人がやると全く違うことでよく分かる。
知らないうちに会話が盛り上がっている様は、知らないうちに楽しく身体を動かさせてしまう達人のエアロビクスインストラクターを思い出す。(そう本学に来てくれてる竹尾先生)
単に視聴者として観ているとゲストの話に集中してゲラゲラしているだけになってしまうのだが、タモリさんにのみ集中すると全く違う世界が見えてくる。(お試しください)
まず、ゲストによってパターンを変えているのがよく分かる。(俳優なのか、歌手なのか、芸人なのかなど)
そして、会話のリズムを調整する「あいずち、うなずき(フンフン、へ~!ホーッ!)」みたいな声が沢山聞こえてきます。
それからゲストが引き立つ話が自然に出るような質問をドンドン挟んでいく。
ゲストはそれに答えていく形式なので話をしやすい。
例「昔〇〇やってたんですって?」とか「それってどんなことやったんですか?」とか、「〇〇が好きなんですってね?」などで話が乗ってきたら「ふんふん」「アッハッハ」「それでどうなったの?」などで進める。
そして、ちょっと専門語が出た時には一般の人向けの解説を具体的な事例で説明してくれる。「あれね、不思議なことにね、〇〇なんですよ」なんて感じで客に向かって話してくれる。
だから、客も二人の会話なのだが、無視されている感じをしないで聞いてられる。
それから、ここがミソだと思っているのだが、間にちょいちょいそのゲストの「この方はこんな人なんですよ」という紹介を入れている。
本人の口からは言えないような魅力の部分を説明している。
「この人はスッピンでもキレイなんですよ」とか、堅そうなイメージのゲストの時は「この人はこう見えて優しいんですよ~こんな事もあって」なんてのをチョチョイ挟んでくれる。
以前に書いたが他者紹介ってやつだと思う。これも周囲を置いていかない(というより巻きこむ)コミュニケーションのミソなのだと思う。
ぜひ見習いたい!
タモリさんの若手にノビノビやらせて、いとも簡単に単に一人の出演者に変われるあの雰囲気は私のやりたい雰囲気でもある。 考えたら、私の恩師はそんな人でした。
ケンシロウのような近寄りがたいオーラーを目指すも、全く出ず、いいとこカメレオンの矢沢(マンガの話)と言われた20代・・・
おかげで小学生でも気安く寄ってくるオッサンになりつつある今日この頃・・・
ダメだこりゃ・・・と思ってたけど悪くもね~か
(写真は学生さんの仕事っぷりに感心して見ているところです。うちの学生はよくやります。コミュ力ついたら楽しみです 笑)