5月31日大学内の連絡用メールを見ると、就職課のK井さんからのメールが届いていた。
それは、先日行われたキャリア支援セミナーの報告書であった。学生へ向けてのアンケート結果も掲載されていた。
いつもはそっけないというか、社交辞令的な感想が多いアンケートであったが、やけに生々しい感想が書かれていた。
実は先週木曜日、キャリア支援企画と称して昼休みの30分を使って講演をした。
要は道徳というか、生き方というような授業では扱いにくい部分の説法みたいなもんである。 ありがたい事に、自由参加の企画ながら140人を超える大入り満員で立ち見まで出る状況であった。
タイトルは「スポーツに関わりたい人に聞いてもらいたい話
~なぜ相澤は『後輩の面倒を見ろ!』というのか?~」というタイトルであった。
これは私が考えた。
大学の企画に自分の名前を恥ずかしげもなく出した私もおかしなもんだが、それが逆に伝えようとする覚悟が伝わったのかもしれない。
さすがに、学内の目立つところにドでかいポスターでド~ンと掲示されているのを見た時には少々やりすぎたかと思ったが、学生が来てくれなきゃ始まらない。
周囲から少々冷ややかに見られようとも開き直ることにした。
コノ期に及んで「私ごときが恐縮ですが・・・」なんて言っても指名してくれたY教授に失礼である。と自分に言い聞かせる(汗)
さて、中身は本学に来て4年目になる私がうちの学生に対して感じている大きな部分をぶつけさせてもらった。
スポーツに関わりたい学生が多い本学であるが、どうにも、もう一発何かが足りないというか、スケールを感じさせる学生が少ない。私の知っているスポーツ界の人に紹介しにくい学生が多い。
学年が進むにつれて国家試験に向けた勉強内容はレベルアップしているのだろうが、どうにも人間的に懐が広くなるというか、貫録が出てくる学生が少ない。
頼りなかった学生が、学年が進むにつれて堂々としてくるのはよくある事だと思うのだが、試験関連のプレッシャーからなのか、むしろどんどん小さくなってしまう学生すら多いように思われる。
「何なんだ?こりゃ?」と常々思っていた・・・
私は一つの切り口として、『上下関係の希薄さ』にあるのではないかと考えてみた。
そして、そこを考えることが学生の非常に悩みであるコミュニケーションの問題に対しても突破口になるのではないかと考えた。
私は自己啓発本マニアなので(笑)本屋にいくとその手のコーナーに立ち寄って目を通す。(最近は字の大きいのが多い・・・私に合ってる 笑)
最近、コミュニケーション関連の本が非常に目立つ。あとモチベーションものである。
「上司に好かれるには」「部下に慕われるには」「出世するには」「やる気を出すためには・・」 などなど・・・皆が関心のあるテーマなのだと思う。
最近は、就職難のこともあり、学生にとっては『どうすれば上の人に気に入ってもらえるか?』というのは最大の関心事であるといっても過言ではない。
しかし、じゃあ具体的にはどうすればいいのか? そこで呆然としている状況である。
そこで私は具体的な提案として、『上に好かれるためには、下(後輩)の面倒を見よう!』というのを提示してみた。
なぜか?
下の面倒を見れば上の気持ちが分かる! 上の気持ちが分かれば、自然と上との接し方も分かる!という理屈だ。
なぜこんな話をしたかといえば、トレーナーを目指す学生(ホントはどの職でもそうだと思うけど)はスポーツ現場のリーダーの気質を知っておかないと全く相手にされなくなってしまうと思うからだ。
面倒を見ている人の気持ちが分かることは必須と考えている。
それ知らないで命知らずな言動をしてしまう学生も多い。(かつての藤田くん ミート)
30分でスライド40枚を使い、メモも取る暇を与えない怒涛の講演であったが、アンケートの反響をみるとかなり学生さんを刺激することができた。元気が出たみたいだ。
何か、大学が変わったらいいな~と思う。
だんだん何の教員だか分からなくなってきた(笑)