職場に和歌山の某私立高校から私宛に封書が届いていた。
中身は35名の高校生の感想文であった。
実は7月にこの高校で行われたオープンセミナーと称する企画に講師として参加していた。
この企画は、高校生に大学で何を学びたいのか?という意識付けをするために国立から私立まで色々な大学から様々なジャンルの先生を呼んできて専門分野について喋ってもらうというものだ。
30人くらいの大学の先生が呼ばれ、同時に講義をし、生徒は自分の興味関心のありそうな講座を選ぶという形式であった。
名だたる大学の代表が出てくる中で関西医療大学の代表が私でいいのか? 私は少々ビビっていた・・
「組長ブシでやっちゃってきてください」とは私を指名したD輔先生の弁・・・
「も~どうなっても知りませんよ・・・」
というワケで私一人では心細いので、頼り甲斐のある風貌をした大将くんを引き連れて乗り込んだ!
私のテーマは「スポーツの価値を考える」ということでやった。
話の冒頭は「コミュニケーションは自己開示から」と言う事で、私の自己紹介をみっちりやった(笑)
要は私のこれまでのスポーツを通して学んできたことを小学校から追ってエピソードを交えながら紹介した。
それにしても私の経歴を見ると、見事に「勝った」という話が無い・・・
トレーナーを目指した授業の出血のシーンの映像で貧血起こしてトレーナーを断念した話
・・・など自分で見てみても、
「こんな人間の話聞いてちゃいけないんじゃないか?」そんな気すらしてくる。
とはいえ、なぜ私がそんなパターンの話をするかと言えば、
自己紹介は
「自分はどこから来た人間で、これまでにどんな失敗をしてきた人間で、これからどこに向かおうとしているのか」
という事を語るべき
だという話を読んで共感したので実行している。
・・・で、これが高校生にもナカナカ好評であったようだ。
考えたら、向こう(生徒)にしたって、
「この人は一体誰なんだろう?」と思いながらいきなり専門的な話を聞いたって、頭には入らないってことなんだと思う。
私の方にしたって、
「私はこのような人間ですんで、もうちょい聞いてみっか!と思ってくれたら嬉しいです」
というスタンスしか取りようがない。
怒涛のペースで喋りまくった60分であった。
何せ、ここの高校は野球部がない!
ということは困ったら野球部をイジルという誤魔化しが効かない(汗)
だから私の取った作戦は、硬軟取り混ぜ、種目も広く、これまで関わってきた人のエピソードなどを交えながら、
「これくらい言えばどれか一個くらい当たるのあんだろ」という
「数打てば当たる作戦」であった(笑)
結果、自分でも何を語ったんだか覚えていない状況であった(汗)
というわけで生徒さんが印象深かったとアンケートに書いてくれた私が語ったらしいネタ
「この個人情報保護がやかましく、おたがいに牽制しあっているようなこの時代に自己紹介は重要!人より先にやろう」
「敵を作らない方法は礼儀正しくすること」
「プレッシャーは勝てそうな時にかかる。という事はプレッシャーがかかってきたら、『けっこういい線まできた』と思って喜ぼう」
「若い時の運動は骨粗しょう症の予防になる」
「技術と技能の違い」
「自分は人数を集められる人間か?という事もスポーツの実力!」
「スポーツは身体を動かすだけでなくコミュニケーション」
「高地トレーニングの話」
「才能と素質の違い」
「イヤホンや携帯ばかりやってると五感が鈍りスポーツにはマイナス」
「ビジュアルトレーニングのやり方」
「ストレス=スパイス(ありすぎると困るが無いと味気ない 大トロを醤油無しで食べたらどうなるか?)」
「普段恥ずかしくて言えないようなクサイセリフや励ますセリフをスポーツの時は言える!」
けっこう、色々な話したんだな・・・
しかし、ウケているのか不安だっただけにこういう感想文をもらうのって本当に嬉しいもんですね。
私も書く側になった時にはもっと意識しなければいけないと思いました。