さて、前作の「人間力」の講演。 『仁』の心というテーマがありました。
「仁」とは人に対する思いやりの心だそうです。
今回は、この手の「いい話」を聞いた時に、「なるほど~」と自分で自分が納得する話で納めておけばいいものの、
「こういう話をアイツに聞かせてやりたいな~」なんて気持ちが起きることありませんかね?という話です。
例えば、『健康にいい話を聞いたから実家の母親に聞かせたい』
なんて温かい感情ではなく、
「人に対して思いやりのかけらもないアイツに今日の『仁』の話を聞かせてやりたいもんだぜ!」 というような、
「アイツをやっつけてやりたい!」という感情から来るようなのってありませんか?
私、大変に恥ずかしい話ですが、しょっちゅうあるんです(汗)
そっちの感情が広がりすぎてしまって肝心のその後の話が耳に入ってこないなんてこともしょっちゅうです(汗)
そして、その対象者が同じ場所で同じ話を聞いているなんてこともありますよね。
そんな時、「あの人、ちゃんとこの話をマジメに聞いてっかな~アンタの事言ってるんだぞ!」なんて気になることってありませんか?
僕はしょっちゅうあるんです。
そして、そぉ~っとその人のことを確認することってありませんか?
今回もそんなシーンがあったんです。
この「仁」の話を聞いているとき、 普段、事務員さんに散々の迷惑をかけ、職場の電話でクレームの長電話をかけて困らせ、私のブログにはネガティブなコメントばかり入れた挙句に、学生には「いい人間であれ~」などと説教し、私の可愛いミートにばかり重荷を背負わせたHさんの顔が浮かんできてしまったのです・・・
「ちゃんと聞いてんのかな~聞いてね~だろ~な~、どうせスマホでもいじってんだろうな~」
などと思っているうちに「この目で確認したい!」という気持ちがフツフツと湧いてきてしまったんです(汗)
私はキャッチャー出身です。 キャッチャーは横目でランナーを見ながら投手の投球をキャッチします・・・つまり顔を動かさずして横目を使う訓練をしてきています。
「ジロッ」 目だけで右隣を確認する私・・・
「アッ!」
私は驚いて目だけのつもりが振り向いてしまいました!
どうしていたと思います?
ナント!激しく同意していたんです!
それはあたかもそちらも 「そうだそうだ!アイツにも聞かせてやりたいぜ~!世の中悪い奴ばっかりだぜ!」という確信に満ちた表情でありました!
ゲ~ッ!マジか~! マズイ!これ絶対に違う解釈してるよ~! 私は絶望的な気持ちになりました・・・
と思いながら考えたのですが、
「ハテ?それならいったいHさんがどうしていたら私は納得したのだろうか?」 と思ったのです。
だって、Hさんが私の予想通り 「ケッ!こんなのくだらね~」 という態度であったならばそれはそれで、
「おいおい!あんたの事言ってんだからちゃんと聞けよ!」 などとイライラしたことだろうと思います。 逆に今回のように非常に納得して聞いていたら
「アンタがそんなに素直に聞けるような話じゃね~だろ!絶対に誤解してるよ!」 とこれまたイライラするわけです。
じゃあ、この私の気持ちをHさんが察知したとして「俺はどうすりゃアンタは納得するわけ?」とHさんに問われたらどうすりゃいいんだろうか? なんてことを思ったんです。
結局、矛盾した考え方をしているのは俺の方だったんじゃないだろうか・・・
そう思ったら自分の中で勝手にイライラしている自分がなんだかアホらしくなったという話でした・・・(汗)
人の感情って勝手なもんですね(笑)・・・私だけでしょうか(汗)