中学生硬式チームのコーチをしている組員のM君が面白いことをいう・・・
「実は僕、いまスカウト部長になってしましまして・・・選手をスカウトしに行くんです」
「ホ~、スカウト!凄いね~」
スカウトと言えば野球界では誰もの耳が「ピクッ!」とくるコマンドである(笑)
なんてったって、プロのスカウトに話かけられたとか、プロのスカウトが名前を控えていったなどというだけでも、
「俺の知り合いのプロ注が・・・」などというように「お前じゃね~だろ!」というところで話が盛り上がるくらいである(笑)
それはなにもプロだけでなく、小学生からみた中学だってありえる。
さて、M君の事情をよくよく聞けば、そのチームは色々あって部員が一気に激減し、試合するのもままならない状態で、本来チームの手伝いであったハズのM君がチームの存続のために「人数集め」をしなければならなくなったということなのである(笑)
学生時代にこういう泥沼状態を味わうことは非常にいい経験であると私は思う(笑)
人を集めるために走りまわるというのは、最も重要な人情の機微を知る訓練として非常に効果的であると私は考える。
こういう作業をすると人を簡単に粗末にしなくなる。
自分の力でもないのに、人が集まる集団で育った人はその辺の感覚が無い人が多いように思う。
すぐキレる。
昨今の体罰問題にしたって、人数の集まらないチームでようやく9人集めたようなチームであれば集まってくれた選手に感謝することはあっても体罰する感情など起こらないのではないだろうか。
さて、M君の話を聞いていると自分の小学生の時代を思い出す。
私の所属していたチームも人数不足に苦しんだ。時はJリーグ発足の時期とも重なり、キャプテン翼も絶好調の時代であった。
小学生の私はなんとかチームを存続させるために手作りのチラシで勧誘に回った。
戦力になりそうな運動神経のある友人などはすでに所属が決まっており話を聞いてもくれない・・・
となれば・・・気の弱そうな転校生か、運動能力が無くあまり友達がいなそうな奴に狙いを定めたのであった(笑)
とにかく9人いなけりゃ野球にならないのである。
勝ちたいだのなんだの言ったってまずは試合ができなきゃもっとお話しにならないのである。
だからそうして集まっていただいた貴重な友人がエラーしようがなんだろうが、来てくれて感謝なのであった。
そして、もう嫌になってしまわないように、一緒に野球の練習をしたりしてなんとか辞めないように工夫した。
だからそいつがエラーをしてしまった時には、
「ドンマイドンマイ!お前は悪くないぞ!」と励ますのに必死であった。
逆にフライを捕れた時なんかは試合の勝敗に関わらずこっちが泣けてきそうなくらい感動ものであった!(笑)
おかげで、そっちの親には友達もいなくて引きこもりだった息子が友達ができて元気になったということで涙を流して感謝されたが、そんなことは狙っておらずこっちも試合をするためには出てきてくれなきゃ困る一心であった(笑)
当然試合は常に初戦敗退であった(笑)
思えば、小学生の頃のこういった出来事は現在の仕事にもろに繋がっている・・・
恐ろしい・・・
話は戻るが、M君は「スカウト部長」という肩書で小学生に「君、いいセンスしてるね~うちで野球やらない?」と声をかけるらしいが、これはナカナカ上手い言い方するな~と笑った。
「人数集め」より「スカウト」の方がなんか前向きな印象がしますね(笑)
それから、M君の話で面白かったのは、
「人数が9人ピッタリになったらみんな休まなくなったんですよ。しかも怪我人も出なくなって・・・」
人の気持ちって面白いですね。
(写真は本文とは関係ありません 若手期待の投手です だ~れだ? )