台風が過ぎましたが・・・皆さん無事でありましたでしょうか。
なんばのジュンク堂というデカイ本屋にいく。
目的は金魚本でちょっと買いそびれていたのがあったのと、少し気楽に楽しめる本でも買うかいなと・・・・
一応、健康運動関連の書籍もチェックする・・・・
そうしたら・・・やけに目につくデザインの本が・・・
「こんなの誰が書いてるの?おや、この顔は見覚えがあるぞ・・・」
と思って手に取る
ふ~んどれどれ・・・「オ~!このお方は・・・」
ナツシマ先生ではないか~
ナツシマ先生ってこういう字だったのか・・・初めて知った(笑)
いや、ワタシが一方的に覚えているだけであって、ナツシマ先生はワタシのことは記憶にないはずです。
それはワタシが大学院生から研究生のような形で東海大にいた頃の話であります。
このナツシマ先生は、当時九州におられたと思いますが、
当時のサッカー部の監督がトレーナーとして全幅の信頼を寄せておりまして、
「この人にかかればもう試合に出られないと言われているような選手が復活する」ということで、神奈川にあるチームですが本当になんとか試合に出したい選手を九州まで治療に行かせるほどでありました。
「この先生がダメというならホントにダメなんでしょ」というくらいに信頼されております。
動作分析は本格的にやるとそれはそれは大がかりなものでありまして、理屈を分かっているスタッフの人数がいるわけであります。
映像からの3次元動作分析をしようとしますと、最低でもカメラは2台以上ないと立体の分析ができないわけです。さらには前・横・上というように、
増えるほど確実さも増すわけです。(右側・左側なども)
ワタシも動作分析の研究をやっていたのだ学生よ。
ホントはそういうピリピリした研究感のある中で真剣な顔している写真でもあれば、こっちの学生に信じてもらえるのですが、
精神論だけではないのだぞ(笑)
まさか当時は自撮りしている状況じゃありませんし、ふざけたら怒鳴られそうな雰囲気の中でやっておりました。
特に、このナツシマ先生との研究の時は、わざわざ九州からスケジュールを調整して来てくれているわけで、ピリピリ感も増したのでありました。
それでも、あの伝説のナツシマ先生の施術を近くで観れるとなれば何がなんでもかけつけたのは言うまでもありません。
今だに覚えている出来事・・・
ある時、ナツシマ先生が面倒を見ている野球選手の分析をすることがありました。
その野球選手とは、たしかワタシと同期の甲子園でアイドル的なスターだった投手でありました。
彼は高卒で一流社会人チームに入ったものの故障で苦戦している状況だということでありました。
鹿児島のほうの投手です。ちなみにその時のキャッチャーは広島のスカウトでオオセラ投手を引いてうれし泣きしておりました。
当然、ワタシは知っていますから、バイメカの教授から「手伝ってくれ」と言われた時はミーハー心で
「オ~ラッキー!こっそり記念写真撮ろう」なんて思っていました。
カメラの番人みたいなことしてりゃいいと思って参加したら、何やら様子がおかしい・・・
「ある程度、力を込めた投球をしてみたい」ということになったという。
もうちょっと説明すると、投手の動作分析をする場合、
やはりボールを投げないでフォームだけやるいわゆるシャドーピッチ(エアピッチング)と、実際のボールを投げてみた時の動きはまるで違う。
さらに言えば、軽い投球と強い投げ方でも違う・・・
さらに、ピッチングとしての投球ではさらに違う・・・
・・・というのがまずあります。
これはプレーヤー側からの話です。
一方で、研究班側からの都合でいえば、
できるだけ不確実というか、アクシデントの可能性は排除した状態で撮影やら筋電図やらのデータを取りたいわけです。
だから研究室でやるわけです。
さて、ピッチングを撮影したいという場合、必要な距離はどれくらいでしょう。
一応、18m44cmというのが距離ですが、
これはプレートからホームベースでありました、投手の後ろにも1.5mくらいの幅は欲しいですし、ホームベースから後ろも2mくらい欲しいわけです(キャッチャーの分)
そうすると、22~23mは欲しいわけです・・・
・・・と、こう考えるのは
野球をしていた人であって、バイメカの先生やらそのスタッフの学生に野球経験者がおらず・・・
「ピッチングって18.44なんでしょ」と設定しておりました。
そもそも23m以上の長さを確保できる部屋はそうそうありませんので、
「お~ここなら18m確保できた~」という状況なのでありました。
まぁ、ワタシは外部(違うゼミ)からの参戦でありますから、黙って見ておりましたら、野球未経験の者がキャッチボールの相手をしておりますが、
甲子園のスターであったその投手は、肩を壊して復帰途上の身とはいえ、そもそも145キロくらい投げる投手でありました。
そんな投手の球を素人がキャッチボールの相手をするとバレーボールのトスみたいな状況になります(弾いてしまう)
その投手も苦笑い(これじゃ投げれませんという顔)
研究のセッティングはバッチリ・・・
しかし捕手がいない・・・・
「じゃあネットに向かって投げればいいじゃねえかよ、どうせ投げるところをみるだけなんだから」
・・・と思いたいところなのですが、
これがまた不思議なもんで、ピッチャーというイキモノは、
ネットやら壁に投げるのとキャッチャーに向かって投げるのはこれまた全然違うのであります・・・・
・・・・嫌な予感
気がついた時にはワタシは、
プロテクターにマスクを装着させられていたのでありました・・・・
よく、芸人が体当たり企画をさせられる時の状況でありました。
試しに捕ってみる・・・・
これがまた、
たまたま球がちゃんと真ん中に来たもので『バシ~!』っと捕れてしまったのでありました・・・
(捕ったというか、捕れていたという感じ)
「オ~!やるじゃないか!」
と普段は全く人を褒めない教授が褒めてくれるは会場のスタッフは大盛り上がり。
「ワ~イ、メデタシめでたし」という雰囲気になりました。
「お前しかいない!」ということで脂汗ダラダラでキャッチャーをやりました。
ワタシだけ緊張度がハイレベルという・・・
あれ?
あなたキャッチャーだったんだから楽勝じゃないの?と思われるでしょうが・・・
18mしか距離がない状況で、
相手は踏み込んでくるから2mは前に来ます。
さらにこっちはホームベースの距離にいるわけだから、
通常の投球よりも2mは前にいるわけです。
これは相当に恐怖であります。
さらに相手はほぼプロですから・・・
やっぱり、甲子園で準優勝した投手の球は伸びが違いますから(汗)
研究とはムチャブリなのであります。
まぁ、これのおかげでワタシの株は上がりましたが、
終わったあとは茫然としていました。体中の毛穴から汗が吹き出しました(笑)
当然、写真を撮るのを忘れてしまいました。
ナツシマ先生も喜んでくれて、ワタシの質問も答えてくれました。凄い先生なのに、ワタシの質問も熱心に夢中に応えてくれました。
肩甲骨と背骨と骨盤の関係を見るのがやり方でありました。
さて・・・・
題名が競輪になっておりますがこれは?
実は、この先生は九州で競輪選手も指導していました。
・・・と、だからワタシがこの先生から
・・・ではありません。そんな単純なストーリーではありません。
ワタシが所属していた松永ゼミの後輩にショウヘイという男がおりました。
膝の靭帯を痛めてしまい重要な試合に出れないかもしれない状況だったときに、
「なんとかならないか?」とラグビー部の監督がサッカー部の監督に勧められて
九州までナツシマ先生の治療を受けにいきました。
すると、見事に復活して試合に出ることができました・・・・
・・・と、そこまでは良かったのですが、
「俺は卒業したら競輪をやる!」と言い出したのです!
どういうことかというと、九州での治療所で競輪選手と治療やらトレーニングを過ごしているうちに、競輪選手の皆さんから
「お前、凄いパワーしてるな~競輪いけるぞ~」
と言われているうちに競輪をやりたくなったのでありました。
問題はショウヘイ君、すでにトップリーグの一流企業への就職が決まっていたのでありました。
これは大変です・・・実際に大問題になったそうですが意志固く・・・
そして、多くの関係者に迷惑をかけまくって競輪学校を目指すものの、
なんと技能試験に受からず(タイムがわずかに足りなかった)
さ~、ショウヘイ君どうしたか・・・
実は、大学ラグビーは大学院生も参加できるシステムだということで、
大学院を受けなおして根性で合格したのでありました。これも凄い(笑)
そして、ワタシが助手をしていた松永ゼミに所属しながらラグビー部の試合に出たのでありました。
まぁ、学部生と違って、研究室にいますとゆっくり会話ができます。
これがまたショウヘイ君は面白い人間でありまして・・・
「いや~アイザワさん、さすがっすね~ すげえわ~ ヤバいっすね~」
などとワタシも顔負けの褒め殺しをするラガーマンなのであります、
そりゃ話も弾みます(笑)
そんな中で「アイザワさん、競輪いきません?ここって平塚、小田原ありますよ」
「競輪? お~、イッテみますか~」
となったところから始まったのあります。雰囲気といいドハマりしました(笑)
忘れもしない、伏見ー岡部ー佐藤慎太郎 のラインのレースがあって
「アイザワさん、ここは伏見ー岡部で間違いナイッス!
これ以外にありえない!」
などというから、よく分かってないワタシは生涯で唯一の1点万ハリをしたのでありました。(今だったら伏見ー岡部なんて絶対に買わない危ないライン)
結果は、後閑が競り込んで分断されたのに岡部が自力捲りで岡部ー佐藤で決まりました・・・
「オイ!こらショウヘイ!」と言うワタシに
「いや~びっくりした~やばいっすね~たまげた~」
もう怒る気になりません(笑)
16年前の話ですがいまだに恨んでおります(笑)
やっぱ、パワーが違う(笑)
ナツシマ先生の顔を久しぶりにみて、色々なエピソードを思い出したという話でした。
ナツシマ先生がショウヘイを治さなかったら、ワタシは競輪を知らなかったんだな~おもしれ~な・・・(やらずに済んだ・・・ともいえる)
長々と失礼しました。