雨のある日 2人の投手が指導をうけにきた。
写真はそのうちの一人。
150キロのストレートと高速スライダーで鳴らしていたのは3年前・・・
最近は130キロ台に落ち込んでいるという。
今シーズンは5月にチョロっと1軍登板するものの大炎上し即降格
まさに現在、崖っぷち!
かつて剛速球の投手が、故障も無いのにスピードが出なくなるのには必ず理由がある。
フォームがバラバラになるとは良く使われる常套句であるが、見た目の問題ではない。
形は同じように見えてもタイミングが狂っているのである。
タイミングが狂っているので、力を入れるところと抜くところのメリハリが効かなくなっているのである。
良いフォームはリズムが良いなどと言われるが、ようするにタイミングが良く、緊張と弛緩をハッキリと出すことができる。
じゃあタイミングってなによ?どことどこのタイミングの話なのよ? ということになると思いますが、私は腕の振りと下半身のタイミングを取れているかどうかが、最終的な腕のフリにモロに関わってくると思います。
よく、「あいつはセンスがあるから」というような言葉で納得するということがあります。
確かに今年プロを騒がしている高校生ビッグルーキーみたいのは別格としても、随分と白旗を上げるのが早いのではないかと思ってます。
私はこの「センス」で片づけている部分というのはタイミングが取れるかどうか?
なのではないかと思っています。
そして、そのタイミングとはナカナカ言葉で伝えることができないので「センス」ということで片づけていると思います。
確かにタイミングとは目に見える形ではないのですが、実際の生活の中で使っている遊びがありますね。 「ジャンケン」です。
ジャンケンはタイミングが取れなければ成立しない遊びですが、大多数の人ができます。
大きな動作のジャンケンも小さな速いジャンケンもお互いにできますね。
てことは理屈さえ、どことどこを合わせればいいということが分かればかなりの人が理解できるのではないかと思ってます。
写真は、腕のフリと下半身のタイミングを身体で理解する練習方法として考えてみたものです。
ただのヒモに吊るしたストップウォッチがまるで生き物のように振りあがっています。
この動きによって、「肩の筋肉を使わなくても肘を上げる方法がある」ということを身体の感覚に伝えています。
ガチガチに力を入れてジャンケンをすることができないのと同じで、タイミングを取る絶対条件はリラックスだと思っています。
さて、成果はどうだったかというと、ここでの練習の段階ではかなり良くなりました。
球速も10キロ以上アップしていると思います。
何より、本人が投げることが楽しくなってきた!ということが一番、大きいと思います。
私が何をしたかと言えば、何のことはない
「もともとアナタはここが出来てたからあの剛速球が投げれたのよ」というのを思い出させただけです。
タイミングが取れなくなってくる最大の原因は、
「安定した確実な結果を追いかけようとすることに意識がいきすぎる」ことにあるのだと思います。」
つまり、思い切って力を抜くタイミングを作ることが怖くなってくるということです。
そう考えますとフォーム指導で大事なことは形を教えるのではなく、なぜこういう形になってしまったのか?という考え方を整理してあげることだと思います。
う~ん、少々マジメに話をしてしまいました(笑)
変態トークですね(笑)
いい歳こいて、肩のタイミングが取れただのなんだのと・・・ 我ながらアホだと思います。
しかし、自分のアドバイスによって伸びるストレートを眺める快感ってあるんだよな~