『金魚もいいけど野球の話もやめないでくださいよ~このブログで指導者の勉強させてもらってますんで』と後輩のノボル先生(大阪の高校の監督さん)から直々に電話の励ましをいただき、また書くことにする。
さて、台風のおかげで、
「これは堂々と引きこもっていよう」とテレビなどをみていたら、日本が誇る指揮者の特集があり見入っておりました。
「世界のオザワ」こと小澤征爾さんです。
私、幼少のころよりクラシックに囲まれて教養豊かな環境にそだち・・・
・・・というのはすぐにばれる冗談ではありますが、
親が時折演奏会などに連れて行ってくれたおかげで分からないながらも聞いていることが嫌いではありません。
今回は指揮者のお話を少々・・・(と言いながら長くなる予感)
実は私は大学教員の駆け出しのころ体育学部のそうそうたる教授陣
の皆さまで行われていた早朝勉強会の一員として参加させていただいていた時期がありました。
今思えば、そこでの肌感覚といいますか、そういう方々のお人柄に触れていたおかげで、
こちらのトレーナーを目指しながらも迷っている学生さんに
「上の人が見てるのはそこじゃないぞ」というような話もできる気がします。
だってそこにいる先生たちのお手伝いをすることイコール、うちの学生が夢見る代表チームのトレーナーだったりするわけなんです。
「おいお前トレーナーやれや」とか言われて「いやいや僕はむりっすよ~」なんて言っていた日が懐かしい。(そんなんで決まるんだぞ学生よ)
それはさておき・・・
この早朝勉強会はナカナカ面白くて、普段交流がありそうでない学内の他の部活の指導者同士で情報交換することで指導者ならではの孤独な悩みを共有したり、学校に対しての不満やら攻略法など新たな発展のヒントを得られるのではないかというコンセプトで行われていました。
異種目であるところもミソで、実は同種目であるとその中での序列ができたり、かえって言いにくい(もしくは聞きにくい)ことも多いのです。
スポーツの指導者ってけっこう孤独なもんです。考えてみれば勝負がかかっているので秘密の部分や、オリジナルを追求すればするほどに孤立感は高まります。
「これでいいのかな~?」と信頼して相談できるような参謀がいれば奇跡みたいなものですからね。
この参謀というのも難しいといいますか、リーダーの目標を的確に理解しつつ必要な助言ができてほしいところですが、そばにいて真面目なことばっかり言うのもこれまた頼りないといいますか・・・バカじゃもちろんダメなのは言うまでもありませんが。
おっと、今回は参謀の話ではなかったです。
なぜこの話の流れで指揮者なのかといいますと実はこの早朝勉強会の進行の仕方といいますのが、「参加者各自が持ち回り当番でテーマを持ってきて議論する」というものであったのです。
最初、私もメンバーに参加しないか?と誘われた時には
「トップコーチたちの生々しい話が聞けるなんてラッキー!」と当然のことながら受け身で構えていたのに、
「いやいや君もだよ」となってしまい
「え~!俺なんてなんの実績もそもそもチームもありませんよ!」
「しかも、そんな凄い監督・コーチ陣の前で『指導者とはこうあるべき!』」
などという話なんてできるわけないじゃないですか!
なんてセリフは聞いてもらえるような状況であるわけはない。
まぁ、救いはそこに野球部の監督はいなかったことですが(笑)
「ハテ、これは困った、どうしたものか・・・」と思って本屋を回っていると・・・
まず戦国武将物語に目がとまった・・・
「お~こういう歴史ものから話を広げる手もあるな・・・」
といろいろ探してみる・・・ちなみに私は特に歴史に強いわけではない・・・
「待てよ・・・こういうの案外好きな先生いそうだな・・・」
どっかのプロ野球の監督も引用しますし・・
そうなんですよ、監督さんたちって戦国武将ものが好きだったりします。
以前にブログで取り上げた柔道部の監督さんも大好きでありました(笑)
こんな人たちの前で中途半端に「豊臣は~」なんてなメジャーなところで勝負したら返り討ちに合います(汗)
いや~困ったぞこりゃ、なんとかカドを立てずにおさめたい・・・
しかし、私のタチの悪いところはこういう状況で「無難に・・・」という気持ち以上に
「あわよくばウケたい」という気持ちも湧き上がってしまうところが厄介なんです(野球は無難にセカンドゴロでしたが笑)
やっぱりこれだけのゴールデンメンバー相手にその辺の同級生でも言えるようなこと言ってもな~なんてなゴーマンな考えがすぐに浮かんでしまう。
それなりに「おっ!貴様やるな!」と言われたい(笑)
さ~どうしたものか・・・
と、本屋をうろうろしていると・・・
「おや・・これは・・」
90歳を超えてなおステージに立って指揮をしたという巨匠の本であった。
指揮者といえば男のやりたい3大職業
(この3つだったよな?と思いながらネットで見たら プロ野球監督 映画監督 オーケストラ指揮者 だった どっちにしろ指揮者は入っているのである。とにかく自分の思うようにやれるが責任重大!失敗したら大負債を負う仕事)
「これはいける!」私、こういう勘所は案外あたるほうです(笑)
指揮者といえば、自分では音を出さず、相手(演奏者)が出してくれた音によって評価される。
これって選手がやってくれたパフォーマンスによって「名監督」といわれたり「能無しダメ監督」と言われるスポーツの指導者と通じるのではないか?
よし、この路線でいけば
「私が言っているのではなく、指揮者の世界はこういうもんらしいですよ~」というスタンスでいけば、おそらくクラシックなどは聞かないであろう先生方とかち合うことなく話を進められるのではないか?
そんなことを思いながら読み進めていくと、それはとんでもなく面白い世界であった。
当たりまえだが指導者そのものであった・・・
この世界知ったらあなたの指導は変わります・・・なんちゃって
さぁ、今回はこれくらいにします。
なにぶん、私も読んでいるお方が後輩のみならばエラそうにズラズラと書き並べたいのでありますが、お世話になった方の気分を害さず、しかしながらなぜ面白いと感じたのかという点に関しては多分にお世話になった方を否定してしまう恐れもあり・・・
この奥歯にものが詰まったような・・・
こういう状況を見るとわかってない方からは
「言いたいことあんならハッキリ言いなさいよ」と言われそうな・・・
「言いたいことは言いにくいことである」
・・・これを読んで、もっと聞かせろというお方・・・
これをネットなりなんなりで購入して読んでみてください。次回までの教科書です(笑)
これを書かせたのぼる先生は必ず買うように(笑)
「指揮のおけいこ」文春文庫 岩城宏之
その辺のコーチングの本ではもう満足できないというあなたにおススメです。