kokokaramakuruの日記

野球 金魚 競輪少々 思いついたことをビビりながら書くブログ

満塁でバタバタ・・・

お気楽にプロ野球をテレビで観ていたら、
例の巨人ー広島戦の最終回に出くわした。

そう、インフィールドフライのやつである。

1死満塁で見事に上がったキャッチャーフライ!
今になって思えば、これもまた絶妙な位置のフライであった。
もうちょっとどっちかの方向に片寄ってくれれば、野手のお見合いもなく、あのプレーは起きなかったと思えばもう一度やれと言われてもできないプレーだと思う。
イメージ 1
(満塁のイメージ写真)

球審の宣告が無かったことが原因といえば原因であるが、あそこまで真上だと球審もファールフライもよぎったのではないかと思ったりする。

あの状況の球場はサヨナラ目前であり観衆の声も凄かった。野手同士の声の掛け合いは難しい。しかも一塁は外人である。

フライなだけに皆、空を見上げている
球審のアクションなど見れるのはフライを見上げていないメンバーだけではなかろうか。
当事者は見えなかったと思う。

だから落としてしまいイカンと思って、一塁手はすぐにボールを拾ってベースを踏んだ・・・

そのあと、「よし2死満塁からもう一つだ・・・」とマシソンに声をかけていた・・

3塁走者は落ちたのを見てスタートを切っていた・・・
フェアだと思ったからである。
その感じもますます、野手にフォースプレーを確信させたと思う。あれが躊躇したスタートだったりしてたらタッチしたかもしれない。

まぁ、ちゃんとフライ捕っていればなんのことはないのだったが・・・

野球を説明する難しさの一つはこの手の走塁に関してである。

プレーをしている最中にフォースプレーになったりタッチプレーになったりする。

この感覚は野球をやっている人にとっては当たり前でも初めてやる人にはその概念を理解させるのが一苦労である。
いや、概念は理解しても、プレーしている最中に適応させるところまでいくにはそれなりの年数の経験が必要である。

初心者相手にソフトボールを指導したりすると、野球をしているものにとって当たり前だが、初心者にとっては難解なことな部分に気づくことがある。

この「今のはタッチだ!」「今のはフォースだ!」と言われるのは分からない人にとってはそれだけで圧迫感のある感覚である。

私の授業でそれで泣いてしまった女子もいる。


それはサッカーで言えば、体育などで懸命に走ってゴールを決めたのに
「今のはオフサイドだ!」とサッカーを知ってるやつにエライ剣幕で言われ、ワケが分からずサッカーがキライになるのと同じである。


さて・・・

このプレーを観ていて私は大学時代に先輩がやったプレーを思い出し懐かしくなった・・・


それは私が東海大学準硬式野球部の1年生だったころ・・・

春のリーグ戦で先輩の試合を応援していた時にそのプレーはおきた。
(想像しながらゆっくりお読みください)

無死満塁のピンチであった。打球は3塁線にとんだ痛烈なゴロであった!

サードのオカモさん(仮名)は見事に横っ飛びでキャッチした!
それはサードベースの後方に位置していた!

オカモさんはすぐさま立ち上がり、3塁ベースを踏んだ(ように見えた)
そのあと、ホームへ送球した!

キャッチャーの先輩はそれをベースを踏みながら送球をキャッチし、そしてランナーにタッチもした。

タイミングは、フォースプレーならアウト、タッチプレーならセーフというタイミングであった。(これまた絶妙な・・・)

さぁ、ホームベース上では今のはホームインなのか否かでもめた!

我がチームのキャッチャーならびにチームメイト、相手のランナー・監督・・・
ホームベース周辺に集まり議論している。

争点を整理すると・・・
相手の主張
「3塁のオカモさんがベースを踏んでいたならホームはタッチプレーなんだからセーフでしょ」という主張である。

一方、我が軍の主張
「いやいや、あれは踏んでないでホームに投げたんだからフォースプレーでアウトでしょうが!」というものである。


お互いが自分の利益のために抗議している。

そのホームベース上での騒動を観ているサードのオカモさん・・・

この先輩は、非常にハイレベルな芸人魂の持ち主でとにかくウケるためならカラダを張るという大阪出身の先輩であった。

その先輩が自分のファインプレーで目立ってチヤホヤされるかと思いきや
思わぬ展開から自分そっちのけでホームで揉めているのを観て蚊帳の外になってしまったことで芸人魂に火がついてしまった。

「よ~し、俺が一発で解決してやろう」

と思ったかどうかは定かではないが、
裁判モノの芝居で被告役をやっている劇団員ばりに
両手を広げたオーバーアクション
「僕は踏みました~!」
とサードの守備位置からホームに向けてデカイ声で情熱的にやってしまったのである。

どうやら、「踏んだ」のほうが我が軍が有利になると思ったらしい・・・

オカモさんにしてみれば、その演技で一気に形勢が有利になると思ったのだが、

もちろん形勢は一気に東海不利に傾いた・・・・

ホームでは「ほれ、本人も言ってんじゃん」とばかりにニヤリとする相手・・・

一気に東海側が湧くと思ったオカモさん・・・

「あり?ウケない?」と思ったであろう、あの表情はいまだに私は忘れられない(笑)

いつもギャグのキレは抜群であったが、
この時は皆が「いやそっちじゃなくて・・」とドン引きした空気を察した・・・

すぐにチームメイトがかけつけ耳打ち「いやいや踏んでちゃマズイんですよ」

えっ、そっちか?」といったオカモさんの表情もこれまた最高であった。
普通ならこれで終了であろう。

しかし、オカモさんはさすがに凄い先輩だった

今度は当時はやっていた「101回目のプロポーズ」で武田鉄也の名言
「僕は死にませーん!」のあのイントネーションで

「僕は、踏んでませーん!」

と、情熱的にやったのだ!

これには場内大爆笑であった。

結局、どうなったんだか忘れたがその演技力に相手も負けてアウトになったんだったような気がする。


当時、大学1年だった私は大阪人というもののパワーに底知れぬものを感じたのであった。
「大阪の人は何考えて野球やってんだ?」と・・(笑)

そして、とてもこんな人たちとマトモに仕事はできんと思ったものであった(笑)。
このオカモさんの下に千里所長がいて、これまたとんでもないバイタリティーの持ち主で、こんな人が大阪にウヨウヨいるのかと思ったら、この二人が特別であった。


それにしても今は私が大阪にいるとは・・・

大阪にもちゃんとした人がいることが分かってよかったですが・・・(笑)

野球ってのもけっこう曖昧な部分が沢山あって面白いというか人間臭いとこがいっぱいありますね。

ルールブックって面白いです。