鉄の棒(約20キロ)を持ちながらサイドステップをしております。
このバーは特注品でありましてその辺で売っているシロモノではありません。
この高校の監督がそのスジの特殊ルートで開発したストロングバーでございます。
マーカーで作られたコースを回りながら走っております。
肘の角度は固定を指示しております。
その上にホームベースを乗せてみました。
部員たちは「ピザ屋」という名前を付けておりました(笑)
これは単に重さを追加したというわけではありません。
こうすることにより肘が後方に抜けてしまうことを阻止します。
すると上腕二頭筋(力こぶ)への刺激が増します。
さて・・・
関節の角度が変わらないで力を発揮する状態を等尺性収縮(アイソメトリック)といいます。
つまり固定しておくような力の入れ方のことです。
一方で、普通にダンベルを上げ下げするような動きを
等張力性収縮(アイソトニック)なんてな風に言います。
そして、その中でも筋肉が縮みながら力を発揮する状態のことを
短縮性収縮(コンセントリック)といい、
伸ばされながら力を発揮するのを
伸張性収縮(エキセントリック)といいます。
腕相撲でいいますと、
勝っているほうが短縮性(コンセントリック)で、
均衡していて動かない状況が等尺性(アイソメトリック)で、
じわじわと負けていく時の状態が伸張性(エキセントリック)ということです。
さて、なぜそんなことをツラツラ書いたかというと・・・
この動きの時に行っている筋収縮の種類はどれでしょう?
指示としては、『肘の角度を変えずに様々なステップをせよ!』ということにしておりますが・・・・
腕の筋肉の状態はどういう状況・・・
つまりどんな力の出し方を出しているでしょうか?
指示としては関節の角度を変えるな!
ということですのでアイソメトリックになるかと思います。
そこに、ステップによる振動が加わりますので、
その揺れによりどうしても腕が伸ばされます・・・
つまり伸張性(エキセントリック)な刺激がかかります。
そしてそれを戻そうとすれば短縮性(コンセントリック)になります。
・・・ということで、
腕の角度をキープしようという意識で振動を加えることにより、
3種類の刺激をかけています。
「そんなこというなら、肘の曲げ伸ばしをしながら走れと言えばいいじゃない」
となるかと思いますが、曲げる(つまり短縮性:コンセントリック)は
3種類の中で力が弱いのです。
ですから、
上げることができなくなると本人が「もうダメだ~」となります。
まだ力が残っているのにやらなくなってしまいます。
等尺性(アイソメトリック)や伸張性(エキセントリック)の方が出力が高いのです。
どういうことかというと、
荷物などで持ち上げるのはできないけども、
支える、もしくはゆっくり下ろすことならできるってことありますでしょ。
(腕相撲の例でいえば、耐えながら負ける時)
・・・で、この伸張性というのは筋肉に大きなダメージを与えます。
ダメージというと聞こえが悪いでございますが、筋肉が再合成されて太くなって強くなるためには必須な刺激です。
ボディービルダーのトレーニングでは「下ろすところを大事にする」といいます。
つまり伸張性(エキセントリック)を重視するということです。
腕を太くしたい時に有効かと思ってこういうトレーニングをしたというお話でございました。
試合の時期には絶対にやらないようにしてください。
とても筋肉ツウになります。パフォーマンスが落ちます。
学生トレーナーなどでトレーニング指導している場合も気をつけてください。
試合前にやってはいけません。
筋トレは同じメニューでも出力(文字通り力の出し方)の違いで効果も変わってきます。
カラダを作りたいとき、力を出す力をつけたいとき・・・などによって変わってきます。
・・・・と、
こういう基礎知識もたまにこうして出力しないと出なくなってしまいますので書いてみました。
専門の人には「なにをそんな程度のことをエラそうに」という話ですが
退屈な文章になってしまい申し訳ありません。